格安航空会社LCCの春秋航空日本が第3期決算を発表しました。2015年4月6日付官報に公告されています。それによりますと、売上高は8億3,600万円で、営業損失は48億8,900万円に上ります。運航開始から間もないとはいえ、ちょっと驚く数字となっています。
1日あたり売上は546万円
春秋航空日本の第3期決算は以下の通りです。
■春秋航空日本第3期決算公告(2014年12月期) 2015.04.06官報
資本金69億円
資本剰余金9億円
利益剰余金 -66.07億円
売上高8.36億円
営業損失48.89億円
経常損失49.04億円
当期純損失49.18億円
春秋航空日本の運航開始は2014年8月1日。第3期決算のうち、運航していたのは5ヶ月間だけで、路線も成田~高松、広島、佐賀の三路線のみ。ですから、売上高が小さいのはやむを得ないでしょう。
とはいうものの、5ヶ月で8億3,600万円の売上ということは、単純計算で1ヶ月あたり1億6,720万円。計153日ですから、1日あたり546万円あまりの売上にすぎないことになります。運航開始直後とはいえ、さすがにこれは厳しそうです。
他のLCCと比べると
他のLCCと比べてみましょう。運航開始直後のピーチとジェットスター・ジャパンの決算は以下のようになっていました。
■ピーチ・アビエーション
第3期決算公告(2013年3月期)
資本金75.15億円
売上143.87億円
営業損失9.6億円
■ジェットスター・ジャパン
第2期決算公告(2013年6月期)
資本金60億円
売上128.19億円
営業損失90.58億円
ピーチは2012年3月運航開始、ジェットスター・ジャパンは、2012年7月運航開始ですので、上記の決算ではいずれも通年の売上が計上されています。それを勘案したとしても、春秋航空日本と比べると、売上高は桁違いに多かったことがわかります。
エアアジア・ジャパンよりも苦しい
運航開始直後のエアアジア・ジャパンとも比べてみましょう。
■エアアジア・ジャパン
第2期決算公告(2013年3月期)
資本金25億円
売上34.67億円
営業損失33.89億円
エアアジア・ジャパンは2012年8月運航開始ですので、上記決算で計上されている売上は8ヶ月分です。それでも、売上は34億円に達しています。1ヶ月あたり4億円以上を売り上げていた計算です。
これらと比べると、春秋航空日本の売上高が、やっぱり低いことが見て取れます。
第三極として健闘を!
春秋航空日本の決算で気になるのが、資本金と利益剰余金。資本金69億円に対し、利益剰余金はマイナス66億円あまりとなっています。春秋航空日本は2014年12月22日に9億円の増資を行っていますが、なるほど、と思わせる決算数字になりました。
厳しい決算となりましたが、スカイマークが経営破綻したいま、春秋航空日本は、JALとANAの資本が入っていない貴重な航空会社です。第三極として健闘を祈りたいところです。