春秋航空日本(スプリングジャパン)が2014年10月からの冬ダイヤを発表しました。通常、冬ダイヤは8月下旬に発表されることが多いので、発表は約1ヶ月遅れです。ここまで遅れた理由はダイヤの調整が難航したからのようです。
発表されたダイヤでは、成田~高松、広島、佐賀の3路線の展開は変わらないのですが、佐賀便が1日2往復から1往復に減便されています。広島便1日2往復、高松線1日1往復は変わりません。夏ダイヤに比べると3路線合計で1日5往復から4往復になってしまいました。
佐賀空港の容量不足が理由か
春秋航空日本は現在3機のボーイング737を保有していますので、3機で1日4往復はさすがに少なすぎます。パイロット不足で増便は難しかったのかもしれませんが、佐賀線が減便されたのは意外でした。就航直後の搭乗率は悪くないと報じられていたからです。
佐賀便が減便された理由は、佐賀空港の容量不足のようです。春秋航空日本は冬ダイヤで午前9時台に佐賀空港に到着する便を予定していましたが、同じ時間帯にANAの羽田発の便が設定されていて、折り返しの時間も近かったようです。そのため、搭乗待合室、保安検査場の混雑が予想され、定時運航に課題が生じるとして、春秋航空が就航を断念したとのことです。
佐賀空港には到着時の手荷物受取場のターンテーブルが一つしかありません。また、出発時の保安検査場のX線検査機も1台だけです。複数便が同じタイミングに重なった場合、最大で300人以上の旅客を同時刻を捌かなければならないのですが、検査機1台では困難で、慢性的な出発遅延が起こる可能性があります。さらに、 佐賀空港は滑走路1本だけで誘導路もないため、離発着の間隔もあける必要があります。こうした佐賀空港の容量不足を懸念した空港側と春秋航空日本が協議した結果、冬季ダイヤではこの時間帯の便を設定しない、ということになったのでしょう。
地方空港に過剰な設備や人員は不要ですから、佐賀空港の容量が小さいのは仕方ありません。ANAと春秋航空日本が重なった場合にANAが優先されるのも、これまでの就航実績を考えればやむを得ないでしょう。とはいえ、これでは日本でLCCが根付くのは容易なことではない、と改めて考えさせられます。