スターフライヤーは、羽田-福岡線について、2014年2月1日からANAとコードシェアを開始すると発表しました。同路線は、1日あたり10往復20便を運航。スターフライヤーの羽田発着の全路線がANAとのコードシェア対象となります。
スターフライヤーは北九州空港を拠点とする独立系の新規航空会社ですが、2005年にANAとの業務提携を開始。2007年から羽田-北九州線、2008年から羽田-関西線でコードシェアを開始しています。それに続く3路線目のコードシェアになり、同社の主力路線は全てANAとの共同運行となりました。
スターフライヤーは小型機エアバスA320を使用していますが、標準で170席(ANA国内線仕様では166席)のところ、144席(2011年導入の5、6号機は150席)仕様にしてしているため、シートピッチにはゆとりがあります。座席は本革張りで、可動式ヘッドレストやフットレスト、コンセント、個人型液晶モニターまで装備されており、普通席といいながらも快適性は高く評価されています。
スターフライヤーの液晶モニター画面
そのため、これまでのコードシェア路線のANA利用者の間でも、スターフライヤー運航便は人気がありました。とくに社用でANAの羽田-福岡線を利用しなければならない人には、スターフライヤー便は魅力的な選択肢になるでしょう。
注意点としては、羽田空港のターミナルは、ANA便名での予約でも第1ターミナルの出発・到着となることです。ただ、スターフライヤーの羽田全便がANAコードシェアになったことで、今後は第2ターミナルへの移転もありそうです。
ところで、2013年10月31日に発表された利用実績によりますと、9月の羽田-福岡線の提供座席数は前年同月比101%増(約2倍)の8万6814席に対して、旅客数は88.0%増の6万597人、ロードファクター(座席利用率、L/F)は4.8ポイント減の69.8%でした。羽田発着枠の増加にともなって便数を倍増させたにもかかわらず、利用者増は座席数増には及ばず、搭乗率が落ちていることが見て取れます。これが、ANAとのコードシェアに踏み切った大きな理由でしょう。
スターフライヤーは経営不振にあえいでいます。11月1日には2014年3月期通期の業績予想を下方修正し、赤字転落(経常損失18億円)を見込んでいます。福岡線コードシェアはすでに業績予想に織り込まれているそうですが、それでこの赤字額だとすれば、同社の経営の厳しさが見て取れます。
独特のサービス水準を維持してきたスターフライヤー。これからも独立資本でサービスを継続して欲しいと願いますが、このままでは事実上ANAの下請け会社になってしまうかもしれません。そうならないことを祈りたいところです。