「ローカル路線バスの旅8時間SP」正解ルートを検証する。気になる部分を総チェック

このバス停生きてますよね

テレビ東京系列の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」が放送されました。この正解ルートを探り、検証してみましょう。

広告

8時間のスペシャル番組

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」は、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズでおなじみの太川陽介と、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅W」で頭角を現した、スピードスケート金メダリストの髙木菜那がリーダーを務める、スペシャル番組です。

お題は、千葉県・成田山新勝寺から青森県・龍飛崎です。これを4区間に分け、チーム太川とチーム髙木が交代しながら、リレー方式でバスを乗り継ぎます。この正解ルートを検証してみます。

いつものことですが、以下はネタバレ100パーセントです。また、結果論100パーセントです。行ってない筆者が机上で語っているだけです。ご理解のうえ、お読みください。

※以下、掲載時刻は確認しましたが、今回はとくに、曜日がややこしく、間違いや勘違いがあると思います。ご容赦ください。また、間違いを見つけましたらご指摘ください。記事は掲載後に加筆・修正することがあります。文中は敬称略です。

ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP
Ⓒテレビ東京

「テレ東系 旅の日~ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP~」
【放送日時】2024年12月28、29日の各17時55分~22時10分(見逃し配信あり)
【放送局】テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
【出演】太川陽介、髙木菜那、信子(ぱーてぃーちゃん)、水谷隼(元卓球金メダリスト)、草薙航基(宮下草薙)、佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)、川村エミコ(たんぽぽ)、高島礼子、神田愛花、澤穂希(元サッカー女子代表)、酒井貴士(ザ・マミィ)、村井美樹、松村沙友理

広告

実際ルート

最初に、番組で2チームが実際に旅したルート(実際ルート)をたどってみましょう。時刻表上の定刻を確認してみました。時刻のはっきりわからなかった部分は筆者による推定です。距離はGoogleマップによる測定で、番組表記とは異なる場合があります。

▽1日目
京成成田駅09:33→10:29佐原駅11:15→12:15江戸崎12:30→13:22土浦駅16:00→16:45石岡駅17:55→19:10水戸駅北口

▽2日目
水戸駅北口08:35→09:26大宮駅口/大宮駅前10:10→11:05道の駅北斗星/道の駅みわ前12:14→12:40JR烏山駅13:35→14:05道の駅ばとう16:18→17:09西那須野駅東口/西口17:20→18:35黒磯駅西口

▽3日目
黒磯駅西口07:54→08:44追分→徒歩10.5km→実業高校前12:03→12:13新白河駅東口12:35→13:28石川駅前13:55→14:55小野駅前16:00→17:10郡山駅前18:05→19:04本宮駅西口→徒歩10.2km→二本松駅

▽4日目
二本松駅入口07:13→08:23福島駅東口08:55→09:45藤田北→徒歩6.1km→越河清水→明神下12:59→13:28白石駅前→亘理町15:36→15:58蔵王町役場前17:32→17:52村田町役場前→徒歩0.5km→中学校前18:06→18:22川崎役場前/かわさきまち18:40→19:48仙台駅前20:30→22:50新庄駅前

▽5日目
新庄駅10:10→11:50院内駅→徒歩16km→湯沢営業所

▽6日目
湯沢営業所07:20→07:58横手バスターミナル08:26→09:19大曲バスターミナル11:15→12:12福部羅→中新田13:15→13:34上中村→徒歩6.5km→秋田空港15:30→16:10秋田駅西口

▽7日目
秋田駅西口09:00→五城目バスターミナル10:55→11:13八郎潟駅前11:55→12:24ホテルサンルーラル大潟前→徒歩5km→13:27追泊公民館前13:52→14:25八竜ふれあいセンター15:00→15:28能代ステーション16:17→17:22荷上場→徒歩12.7km→20:00鷹ノ巣駅

▽8日目
北秋田市民ふれあいプラザ前(鷹巣)06:54→07:54大館駅前09:37→10:08矢立ハイツ→徒歩7.9km→12:00道の駅いかりがせき12:05→13:00弘前バスターミナル13:20→13:53浪岡14:37→15:21青森駅前15:53→16:42後潟17:03→徒歩10.4km→蟹田駅19:05→19:59三厩駅20:02→20:27龍飛漁港

ということで、8日目20時30分ごろに、龍飛崎灯台下の龍飛漁港に到着。無事ゴールとなりました。

ゴールしたので、今回は成功です。ただ、気になる部分もありましたので、全体を振り返って検証していきましょう。(配信先で地図が崩れる場合は、こちらをご覧ください)


※Googleマップは概略です。実際のルートとは異なります。(以下全て)

広告

成田から水戸へ

まずは、第1区、太川チームの乗り継ぎをみてみましょう。1日目のメンバーは、太川のほか、信子と水谷隼です。

▽1日目(日曜日)
京成成田駅09:33→10:29佐原駅11:15→12:15江戸崎12:30→13:22土浦駅16:00→16:45石岡駅17:55→19:10水戸駅北口

太川チームは京成成田駅を09時33分のバスで出発し、佐原駅に10時半頃に到着しました。乗る予定の江戸崎行きバスを11時15分発と確認のうえ、待ち時間を活用して、一行は観光に繰り出します。

ところが、駅に戻ったときに、鉾田行きのバスの出発を目にしました。乗り逃してしまい、太川は大いに悔やみましたが、仮に、このバスに乗っていたらどうなっていたでしょうか。

広告

鉾田ルート

佐原駅から鉾田行きのバスに乗ると、このような乗り継ぎとなります。

▽1日目(鉾田ルート)
京成成田駅09:33→10:29佐原駅11:10→(高速バスあそう号下道)→12:40鉾田駅12:45→13:35小川駅14:05→14:20茨城空港14:55→16:05水戸駅16:50→17:41大宮駅口

このバスは、東京から鉾田への高速バス「あそう号」です。佐原から鉾田までは下道を走り、一般の路線バスとして利用できます。すなわち、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」でも、ルール上、利用可能です。

時刻表通りなら、鉾田駅に12時40分に到着します。鉾田から石岡方面のバスに接続しており、小川駅、茨城空港で乗り継げば、水戸駅に16時すぎに到着します。さらに乗り継いで、大宮駅口に17時41分に到着できます。

鉾田ルートなら、常陸大宮に18時前に着けるわけです。

広告

水戸駅宿泊

ただし、常陸大宮に18時に着いたとしても、その先、道の駅北斗星方面へのバスは終わっています。したがって、1日目は常陸大宮市で終了となります。

仮に常陸大宮で宿泊したとしても、翌日の道の駅北斗星行きのバスは、実際に乗ったバスと同じになります。つまり、常陸大宮で実際ルートに収斂します。

実際ルートでは、1日目、水戸駅に19時すぎに到着しました。まだ常陸大宮へのバスはあり、行こうと思えば行けましたが、宿泊施設の懸念から、水戸駅で打ち切っています。

同様の考え方に基づけば、たとえ佐原駅で鉾田行きバスに乗れたとしても、水戸駅泊まりという結果は変わらなかった、という解釈もできるでしょう。つまり、鉾田での乗り逃しは、大勢に影響を及ぼしませんでした。

言い方を換えると、1日目は大きなミスをしない限り、水戸駅宿泊で落着する基本設定になっていた、といえそうです。

広告

常陸太田ルート

2日目、太川チームのメンバーは、水谷に代わり草薙航基が入りました。

水戸駅の出発は08時35分の始発バス。大宮駅で乗り継ぎ、道の駅北斗星を経て、烏山に抜けました。

水戸駅からの展開でいえば、北上して常陸太田を目指せないか、とお考えの方もいるでしょう。

水戸駅から常陸太田へのバス便は、かつて存在しました。オリジナルシリーズ第16弾(館山~会津若松)では、それを乗り逃したことが敗因となっただけに、ご記憶の方も多いでしょう。

しかし、茨城交通の水戸太田線は、第16弾放送後まもない、2014年3月末に廃止されています。

常陸太田へバスだけで行くことはできず、徒歩を組み合わせなければなりません。たとえば、こんなルートがあります。

▽2日目(常陸太田ルート)
水戸駅北口07:40→08:15笠松運動公園前→徒歩8.2km→石名坂下11:13→11:30常陸太田駅12:54→14:07里川入口→徒歩1.2km→大ぬかり明神14:37→14:59矢祭町役場16:26→17:05棚倉駅前/磐城棚倉駅17:37→18:33白河駅前

このように、2日目に白河駅に到達できます。そのまま乗り継げば、4日目の13時ごろに仙台駅に着くことができるでしょう。

「常陸大宮ルート」は、水戸駅から国道6号を北上し、大甕から常陸太田へ向かうバスを捕まえる形です。常陸太田から白河へのルートに気付けば、採りうるルートでしょう。

その情報を得るためには、水戸駅の案内所での聞き込みが必要です。仮に「鉾田ルート」で水戸駅に16時すぎに到着していれば、案内所が開いていたでしょうから、聞き込んで実現可能だったかもしれません。

とはいえ、水戸駅から常陸大宮方面のバスがあるなかで、あえて歩いて常陸太田を目指す動機は生まれにくそうです。そう考えると、実現可能性は低く、机上論に近い乗り継ぎといえるでしょう。

広告

黒磯までの一本道

実際ルートの太川チームは、道の駅北斗星から烏山へのバスに乗り、道の駅ばとうを経て、西那須野駅に到達しました。さらに、黒磯駅まで乗り継ぎます。

実際ルートを再掲しておきましょう。

▽2日目
水戸駅08:35→09:26大宮駅口/大宮駅前10:10→11:05道の駅北斗星/道の駅みわ前12:14→12:40JR烏山駅13:35→14:05道の駅ばとう16:18→17:09西那須野駅東口/西口17:20→18:35黒磯駅西口

このあたりの乗り継ぎは、見事といえば見事ですが、他に選択肢のない一本道に近かったともいえます。つまり、きちんと聞き込めば、それほど難しくなく、黒磯まで到達できる設定になっていました。

黒磯駅の到着時刻は18時半すぎ。ここから県境を抜け、白河に到達したいところでしたが、時間的に不可能です。つまり、1区は黒磯で終了となりました。

制作側が想定する基本設定も、おそらくは黒磯での落着でしょう。つまり、太川チームは、1日目、2日目の「1区」を、大きなミスなく乗り切ったといえそうです。

【続きはこちら】
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」の正解ルートを検証する【2】

広告