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「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第15弾 松本~飯山を分析する【2】窮地を脱した大きな決断

飲みながら考えますか

「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第15弾のルート検証、ここからは河合チームをみてみましょう。

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「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第15弾 松本~飯山を分析する【1】

ローカル路線バスの旅陣取り合戦第15弾
Ⓒテレビ東京

水バラ ローカル路線バス乗り継ぎ旅 第15弾 陣取り合戦in長野
【出演】太川陽介、えなこ、西堀亮(マシンガンズ)、河合郁人、髙田真希、元木大介
【放送日】2025年2月6日(木) 18時25分~21時54分(テレビ東京系列、見逃し配信あり)

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河合チームの検証

ここからは、河合チームの検証です。実際ルートを再掲します。

▽1日目(河合チーム)
松本BT0940→10:20四賀支所→徒歩9km→龍門淵公園(☆安曇野市)→徒歩0.5km→明科駅12:50→13:02ハーブセンター→道の駅池田(☆池田町)→徒歩4.8km→15:00信濃松川駅→タクシー4km、2,000円→道の駅安曇野松川(☆松川村)→タクシー8km→仁科神明宮(☆大町市)→タクシー+徒歩、計7km、7,000円→16:37信濃大町駅17:30→18:45長野駅東口→徒歩0.5km→幸先(★長野市)→徒歩0.5km→19:18長野駅19:40→20:25綿内駅

▽2日目(河合チーム)
綿内駅07:19→07:35末広町→徒歩0.2km→07:51コモリ餅店(☆須坂市)09:10→徒歩5.5km→イチニー(★小布施町)→徒歩8km→12:03信州中野駅12:10→12:44湯田中駅→徒歩0.6km→湯田中ブルワリー(☆山ノ内町)→湯田中駅13:43→14:14信州中野駅14:45→15:16木島→徒歩1km→道の駅ファームス木島平(☆木島平村)→タクシー2.5km→飯山城址公園

1日目、河合チームは松本バスターミナルから四賀支所に向かい、さらに歩いて明科駅近くの安曇野市の陣(龍門淵公園)を確保しました。

明科駅に戻ったところ、生坂村方面と池田町方面の二つのバスが待っていました。どちらのバスを選ぶか検討しましたが、結局、池田町方面に乗車しました。

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生坂村行きに乗っていたら

では、仮に、明科駅で生坂村行きに乗っていたらどうなっていたでしょうか。

▽1日目(河合チーム)
明科駅前12:55→13:17やまなみ荘(☆生坂村)→徒歩5.7km→山清路14:40→15:10信濃大町駅16:10→17:25長野駅

明科駅前からのバスはやまなみ荘までで、そこから山清路へのバスは夕方までありません。

そのため、やまなみ荘から山清路まで、約6kmを歩くことになります。この沿道に生坂村の陣があれば確保できるでしょう。集落が限られた村なので、おそらくは、やまなみ荘周辺に陣が設定されていたと思われます。

山清路まで歩けば、信濃大町行きのバスに乗れます。しかし、このバスは大町市の陣(仁科神明宮)の近くは通らないので、取りに行くなら、信濃大町駅からタクシーに往復乗るなどの手立てが必要です。

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生坂村から池田町へ

生坂村ルートを選んだ場合、大町市ではなく、池田町へバスで出ることもできます。

▽1日目(河合チーム)
明科駅前12:55→13:17やまなみ荘(☆生坂村)15:35→15:52池田町役場北→タクシー3.1km→道の駅池田(☆池田町)→タクシー6.4km→仁科神明宮(☆大町市)→タクシー7.3km→信濃大町駅17:30→19:18長野駅

生坂村で2時間くらい滞在した後、池田町へバスで抜け、池田町役場を起点にタクシーで池田町の陣と大町市の陣を確保する乗り継ぎです。この場合、実際ルートと同じ4陣を確保して、同じ時間に長野駅に着けます。

実際ルートより、タクシー代は少し安くなりそうです。しかし、とくに優れているとまではいえません。

まとめると、生坂村へのバスに乗ったところで、実際ルートより多く陣を得ることもできませんし、長野駅に早着するには陣を捨てなければなりません。

となると、生坂村ルートが正解だったとはいえないようです。明科駅で、池田町へ向かうという判断をくだしたのは、間違っていなかったわけです。

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池田、松川、大町を効率的に取れなかったか

河合チームで気になったのは、池田町、松川村、大町市の3陣を、もう少し効率よく取れなかったのか、ということでしょう。

実際ルートをおさらいすると、河合チームは明科駅から池田町のコミュニティバスに乗りこみます。そして、池田町の陣が、乗車したバスの沿道にあることを知り、ハーブセンターの停留所でバスを降りてしまいました。

到着時刻は、時刻表上は、13時05分です。ところが、次のバスが17時台までないことがわかり、ミッション終了後、歩いて信濃松川駅にいたり、情報を得た後、タクシーで松川村の陣(道の駅安曇野松川)へ向かいました。

巡回バスに気付いていたら

しかし、じつは、ハーブセンターの停留所から、町内巡回バスなら13時33分発がありました。一行が確認した停留所の下の方に、時刻表も映っていましたから、注意していれば気付けたはずです。

池田町巡回バス
画像:池田町営バス時刻表

池田町の陣のミッションは、ハーブティーを飲むだけですので、20分もあれば終わるでしょう。すなわち、時間的には間に合いそうです。

仮に巡回バスに乗っていれば、以下のように乗り継げます。

▽1日目(河合チーム)
池田町ハーブセンター(☆池田町)13:33→13:50正科中屋前→徒歩1.5km→仁科神明宮(大町市☆)→仁科神明宮下15:33→16:01信濃大町駅16:10→17:25長野駅(☆長野市の陣)

ハーブセンターからの巡回バスで、池田町の北端の正科まで行き、大町市に入れば、大町市の陣(仁科神明宮)まで1.5kmくらいであることがわかります。

仁科神明宮まで歩いたとして、仁科神明宮下からはコミュニティバスがありますので、1時間ほど待てば乗車できます。そうすれば、信濃大町駅に16時01分に到着し、16時10分発の長野駅行きに乗車できます。すると、長野市の陣で先着できます。

この乗り継ぎの場合、松川村の陣が得られませんが、長野市の陣を得られますので、1日目の獲得陣数は4陣となり、実際と同じです。

長野市の陣を奪うことで、太川チームの1陣を削れるので、この時点でリードできます。しかもタクシー代を使っていませんでしたので、2日目は縦横に移動できます。そうなると、最終的に、太川チームに圧勝していた可能性もあるでしょう。

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巡回バスで、松川村の陣も狙ったら

巡回バスに乗り、松川村の陣を取りに行くなら、以下のような乗り継ぎもあり得ます。

▽1日目(河合チーム)
池田町ハーブセンター13:33→13:47あずみ病院→徒歩1.6km→14:10信濃松川駅→タクシー4.0km→14:30道の駅安曇野松川14:50→タクシー7.8km→15:10仁科神明宮(☆大町市)→仁科神明宮下15:33→16:01信濃大町駅16:10→17:25長野駅(☆長野市の陣)

池田町ハーブセンターから巡回バスに乗り、町の中心部のあずみ病院で降り、信濃松川駅まで歩きます。そこで情報を得て、タクシーで松川村の陣へ行き、とって返して大町市へ向かい、陣の位置がわかったら仁科神明宮に転じるという形です。

この乗り継ぎの場合、タクシーを12kmほど乗らなければなりませんが、4陣を得て長野市にいたり、しかも長野市の陣も確保できます。

もちろんこれは机上論ですので、現実にどこまで可能だったかは別の話です。とはいえ、ハーブセンターからの巡回バスに気付いていれば、1日目に長距離を歩く必要もなく、タクシー代を節約したり、より多くの陣を得られたりする可能性があったことは確かでしょう。

となると、巡回バスの存在を見落としたことは、今回の 河合チームで、もっとも惜しまれるミスといえそうです。

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高山村へ行けたか

2日目の河合チームに関しては、タクシー代をほぼ使い尽くしたなか、ひたすら歩いて健闘したというほかありません。

そのなかで、訪問できなかった市町村へのアクセスもみていきましょう。

まず、高山村です。須坂駅からバスが出ています。

▽2日目
須坂駅09:45→10:11You遊ランド(☆高山村)10:51→11:28須坂駅

高山村の陣がどこかははっきりしませんが、You遊ランド行きのバスに乗れば、その沿道にありそうです。その場合、11時28分に須坂駅に戻れるでしょう。

2時間弱で1陣が獲れそうなので、悪くありません。しかし、ゴールに向かうには、結局、須坂から歩いて北上する必要があり、ルート的にはただの寄り道になってしまいます。

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野沢温泉村に行けたか

次に、野沢温泉村です。信州中野駅からバスがあります。

▽2日目
信州中野駅14:45→15:16木島15:33→16:03野沢温泉グランドホテル16:15→16:48福寿町→徒歩0.5km→16:55飯山城址公園

信州中野駅から実際に乗ったバスで木島で降り、木島平村へ行かずに、野沢方面のバスに乗り継ぎます。野沢温泉の中心部まで往復して、飯山城址公園にギリギリでゴールできます。野沢温泉村の陣の位置や内容によりますが、1陣を確保できた可能性があります。

野沢温泉から飯山方面へは直通バスが出ていますので、効率のいい乗り継ぎです。太川チームが木島平村の陣を得ていると確信していたならば、そちらを避けて、野沢温泉村を狙うという選択肢もあったでしょう。

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長野市の陣を奪い合う設定

全体を振り返って見ると、松本駅をスタートした両チームが進む道は、鹿教湯方面と四賀支所方面しか選択肢がありません。双方が順当にいけば、長野市の陣を、近い時間帯で奪いあう設定になっていました。これをどちらが得るかが、1日目の大きなポイントでした。

河合チームが、道の駅池田からの巡回バスに気付いていれば、安曇野エリアの市町村の陣を確保した上で、長野市の陣も奪い、2日目のタクシー代も温存できていたので、優位に立っていた可能性が高いでしょう。

しかし、現実には巡回バスに気付かず、池田町の陣でハーブティーとシュークリームをゆっくり楽しんでしまい、苦戦を招いてしまいました。

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あと1陣を狙っていたら

一方の太川チームは、ルート上の陣を手堅く押さえながら進行し、夜に長野市の陣まで得られたのですから、1日目は満点といっていい出来でした。

2日目も先行し、手堅く進めば勝利できた可能性が高かったのですが、優勢に気が緩んだのか、最後にあと1陣を狙わなかったことで、河合チームに追いつかれてしまいました。

上述したように、2日目は、両チームが訪れなかった高山村や野沢温泉村にも、陣取りのチャンスがありました。そうした可能性があったにも関わらず、ゴールを急いでしまったのは、優勢だった太川の油断といえるかもしれません。

「お互い様」の引き分け

逆に河合チームは、終盤までよく粘り、1日目の失策を挽回した形です。とくに、最後の木島平へ向かう大きな決断が、窮地を救いました。

まとめてみると、1日目は太川が満点の出来を見せた一方、河合がミスをしました。2日目は太川が油断をして、河合が挽回しています。結果として引き分けに終わったわけで、「お互い様」で幕を下ろしたといえそうです。(鎌倉淳)

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