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JAL国際線「A350と787に統一」で起こること。737の代替機がない!

中部空港路線はどうなる?

JALが国際線の機材をエアバスA350型機と、ボーイング787型機に統一する方針を明らかにしました。これにより、現在小型機(ボーイング737型機)で運航している路線がどうなるか、にわかに関心を集めています。

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「ローリングプランを発表」

JALは、2025年度末までの中期経営計画の改訂版となる「ローリングプラン2025」を公表しました。あわせて、ボーイング737-8型機17機を、国内線用として追加導入することを発表しました。

記者会見した鳥取三津子社長は、今後、国際線の使用機種をエアバスA350型機とボーイング787型機に統一する方針を明らかにしました。現在のJAL国際線は、A350と787のほか、ボーイング777、767、737を使用していますので、この3機種を国際線から退役させることを意味します。

JALボーイング737-8
画像:JALプレスリリース

 
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737の代替機が見当たらず

機材のサイズ感では、大型機の777と中型機の767は、大型機のA350と中型機の787で代替できます。しかし、737は小型機で、国際線機材の座席数は144席にとどまり、A350や787とはサイズがあいません。737の代替機が、今後のJAL国際線使用機材のラインナップに見当たらないのです。

したがって、国際線機材をA350とボーイング787に統一するということは、現在737を使用している路線で機種を大型化するか、路線そのものから撤退するかのいずれかを意味します。

JAL機材導入予定
JALの今後の機材導入計画。画像:JALプレスリリース

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現在は4路線あるが

JALが737を主力機種として使用している国際線は、成田~浦東(上海)、中部~浦東、中部~天津、中部~桃園(台北)の4路線のみです。

このうち、成田~浦東線と、中部~浦東線は、2025年夏ダイヤに記載がなく、3月29日を以て運休します。残るのは中部~桃園の週5便、中部~天津線の週2便だけで、あわせて週7便です。このほか、羽田~広州線などで、利用の少ない日に737を充てることはあるようですが、限られています。

この状況で、JALが国際線の737を退役させるのなら、中部発着の東アジア2路線が存続するのかが気になります。とはいえ、この2路線を廃止してしまうと、JALの中部発着の国際線はホノルル線(787)だけになってしまいます。

機材を中型・大型機に統一するということは、需要の小さい路線から手を引くことを意味します。中部空港は、羽田・成田・関西に比べてインバウンドが弱いため、現時点では需要に限りがあります。となると、JAL国際線の全面撤退という可能性も、考えられなくはありません。(鎌倉淳)

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