JR東日本は、中央線のグリーン車サービスを2023年度末に開始すると発表しました。あわせて、グリーン車と普通車に車内トイレを設置します。
2024年3月にサービス開始
JR東日本が、中央線にグリーン車を導入するという方針を初めて明らかにしたのは2015年2月。対象区間は中央快速線の東京~大月間と、青梅線の立川~青梅線で、当初は2020年度のサービス開始を目指すとしていました。
しかし、駅構内バリアフリーなど他施策との調整に時間がかかるとして、2017年3月に、開始時期を「数年程度」延期すると発表。2018年4月3日に、2023年度末(2024年3月)に中央線グリーン車サービスを開始すると発表しました。
グリーン車に両開きドア
計画によると、E233系電車の普通車10両に2階建てのグリーン車2両を4・5両目に増結します。合計12両編成となり、普通車は減らさず、グリーン車部分の輸送力が純増となります。
乗降をスムーズにするために、グリーン車の乗降ドアを両開きドアとします。乗降時間を短くすることで、東京駅での折り返し時間も確保します。ドアの出入り口は、片開きなら幅810 ㎜のところ、両開きで1,300 ㎜とします。
普通車6両目にトイレ
グリーン車のほか、普通車にもトイレを設置します。中央快速線(E233系通勤電車)と、中央快速線と直通運転を行う青梅線の全列車に普通車トイレを新設。その工事を2018年度から2023年度まで実施します。グリーン車トイレは4両目、普通車トイレは6両目です。分割編成の場合も同じです。
これにともない、グリーン車運行区間の全44駅及び車両基地等において、運行に必要な駅改良工事や線路改良、信号改良工事等を実施します。グリーン車は合計で116両(2両×58編成)を新造します。
中央線のグリーン車設置については、ホーム延伸の困難さや、東京駅での車内整備時間の不足が懸念されていました。今回、JRが正式にサービス開始時期を明らかにしたことは、こうした課題の克服にメドが立ったことを意味します。トイレが設置されることで、普通車のサービス向上にもつながるわけで、実現がさらに楽しみになりました。