大阪モノレール線延伸
大阪モノレール線(本線)は、大阪空港駅から門真市駅まで21.2kmを結ぶ路線です。1990年に千里中央~南茨木間が開業し、1997年に大阪空港~門真市間がすべて開業しました。さらに門真市~瓜生堂間(仮称)の9.0kmの延伸が計画されていて、2029年度に開業する予定です。
大阪モノレール線延伸の概要
大阪モノレール本線の延伸計画区間は、門真市~瓜生堂の9.0kmです(未設駅は仮称、以下すべて)。途中、門真南、鴻池新田、荒本の3駅を設置します。軌道は中央環状線に沿って建設しますが、荒本駅付近のみ東側にせり出し、東大阪市道上を走り、東大阪市役所に隣接する形で駅を設けます。終点瓜生堂の北には、中央環状線の未利用地を使って車庫を設置します。
門真南駅では地下鉄鶴見緑地線と接続。鴻池新田ではJR学研都市線と接続。荒本駅では近鉄けいはんな線と接続。瓜生堂では近鉄奈良線と接続します。瓜生堂に近鉄の駅はありませんが、モノレール延伸にあわせて設置される予定です。
延伸区間の需要予測は1日3万7000人(全区間1日14万人)、事業費は1,050億円です。このうち、インフラ部分を国が407億円、大阪府や東大阪市などの自治体が333億円負担し、車両などのインフラ以外310億円を大阪高速鉄道が負担します。
運行本数について明確な資料はみつかりませんでしたが、既存の大阪モノレール本線の全列車が瓜生堂まで乗り入れるとみられます。
大阪府などは現在、測量や設計、環境アセス調査などを実施しており、都市計画決定、事業認可へと進みます。着工予定は2019年度で、2029年開業予定です。
建設事業評価の資料では、延伸後、門真南~万博記念公園間は23分430円、瓜生堂~万博記念公園が34分550円と想定されています。
大阪モノレール線延伸の沿革
大阪モノレールは、伊丹空港と堺の工業地帯を結ぶという構想の路線です。そのため、今回の延伸予定区間は、当初構想の範囲内です。ただ、当初構想が壮大すぎて、一気に全線建設とは行きませんでした。
1989年の運輸政策審議会答申第10号では、大阪国際空港~門真間が「2005年までに整備することが適当である区間」、門真~茨田~荒本・堺方面と大阪国際空港~伊丹付近~武庫之荘方面が「今後路線整備について検討すべき区間・方向」として示されました。
2004年の近畿地方交通審議会答申第8号では、「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」として、門真市~瓜生堂が大阪モノレール線の延伸案として盛り込まれ、延伸区間が絞られました。しかし、財政状況が厳しいなか、大阪モノレールの既存区間の経営状況を見極めるということで、計画は凍結状態になってしまいます。
建設へ向け動き出したのは、2012年6月。大阪府戦略本部会議が大阪モノレール延伸を検討することを決めます。2013年4月から事業化に向けた検討を開始し、2014年1月に「大阪府公共交通戦略」に位置付けられました。
その後、事業負担割合について自治体との協議に移り、2015年7月に東大阪市と合意。着工への環境が整いました。2016年1月15日に行われた大阪府の戦略会議で、大阪モノレール延伸の事業化を意思決定。2019年度の着工、2029年度の開通を目指すとしました。
残る瓜生堂~堺間に関しては、2017年6月に、堺市、八尾市、松原市が、連盟で大阪府に対し、「大阪モノレール 画の堺方面へ延伸に関する要望書」を提出しました。しかし、建設についての議論は進んでいません。
なお、大阪モノレールには、彩都線の彩都西~山手台車庫駅の延伸計画もありましたが、2017年1月に計画中止が決まっています。2019年3月19日に正式に計画廃止となりました。
大阪モノレール線延伸のデータ
営業事業者 | 大阪高速鉄道 |
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整備事業者 | 大阪高速鉄道 |
路線名 | 大阪モノレール線 |
区間・駅 | 門真市~瓜生堂(仮称) |
距離 | 9.0km |
種別 | 未定 |
種類 | 跨座式モノレール |
軌間 | -- |
電化方式 | 直流1500V |
単線・複線 | 複線 |
開業予定時期 | 2029年 |
備考 | -- |
大阪モノレール線延伸の今後の見通し
2016年度に事業化が決定しており、導入空間もほぼ確保されていることから、門真市~瓜生堂間が、いずれ開業することは間違いありません。ただ、荒本駅付近では、導入空間の整理が必要とみられる場所も残っています。
大阪モノレールは、さらに堺市方面への建設計画も残っています。しかし、瓜生堂~堺間に事業化に向けた動きはまだなく、建設のメドは立っていません。また、彩都線延伸は、2017年に計画断念が決まっています。