北海道新幹線
北海道新幹線は、青森県青森市から北海道札幌市を経て旭川市までを結ぶ計画の新幹線です。青森市から札幌市までの区間は整備新幹線に指定されています。
現在、新青森駅~新函館北斗駅間が開業済みです。新函館北斗~札幌間は建設中で、開業予定は2030年度末となっています。ただし、建設工事が遅れていて、開業は数年ずれ込みそうです。また、札幌~旭川間の建設のメドは立っていません。
北海道新幹線の概要
北海道新幹線は、新青森駅~新函館北斗駅間148.8kmが開業済み、新函館北斗~札幌間211.5kmが建設中です。
新函館北斗~札幌間には、新八雲(仮称)駅、長万部駅、倶知安駅、新小樽(仮称)駅の4駅が設けられます。札幌までの開業予定は2031年春です。札幌~旭川間は「基本計画路線」と位置づけられていますが、建設のメドは立っていません。
北海道新幹線の最高速度は時速260kmです。札幌まで開業した場合の所要時間は、函館~札幌間が約1時間13分、青森~札幌間が約2時間18分、東京~札幌間が約5時間1分になると試算されています。走行する列車名などは未定です。
北海道新幹線の新函館北斗~札幌間は「整備新幹線」として整備が進められています。 整備新幹線は、鉄道・運輸機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が新幹線施設を建設・保有し、営業主体であるJRに対して施設を貸し付ける枠組みです。貸付を受けるJR北海道は受益の範囲内で鉄道・運輸機構に貸付料を支払います。
北海道新幹線の工事費は、国土交通省の試算によると、新青森・新函館北斗間で約5,783億円、新函館北斗・札幌間で約1兆6,700億円、合計で約2兆2,483億円とされています。
北海道新幹線の開業後、並行在来線はJR北海道から切り離されます。すでに、新青森~新函館北斗間の開業後、JR江差線の五稜郭~木古内間が道南いさりび鉄道に転換されました。さらに新函館北斗~札幌間が開業すると、JR函館線の函館~小樽間が並行在来線として、JR北海道から経営分離される予定となっています。
経営分離後の函館~小樽間は、鉄道存続の場合、道南いさりび鉄道に引き継がれる予定です。ただし、長万部以北は利用者が少ない区間であり、本当に全線が鉄道として存続するのか、懸念する声もあります。
北海道新幹線の沿革
北海道新幹線は、「全国新幹線鉄道整備法」に基づいて整備が進められている新幹線です。1972年7月3日運輸省告示第243号により、青森市~札幌市が基本計画区間に追加され、1973年11月13日に、同区間の整備計画を決定しています。同日、札幌市~旭川市も基本計画区間に追加されました。
このうち、新青森~新函館北斗間は、2005年4月27日に工事実施計画が認可・着工され、2016年3月26日に開業しています。
新函館北斗~札幌間は、2012年6月29日に認可・着工され、新函館北斗開業の概ね20年後(2035年)までの開業が予定されていました。その後、2015年1月14日の「政府・与党申し合わせ」において、開業を5年前倒しし、2030年度末の開業を目指すことが決定しています。
ただし、工事は遅れており、予定通りの開業は難しそうです。
残る札幌~旭川間に関しては、これまでに決定されたことはありません。着工の時期や、設置駅なども未定です。
北海道新幹線のデータ
営業事業者 | JR北海道 |
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整備事業者 | 鉄道・運輸機構 |
路線名 | 北海道新幹線 |
区間・駅 | 新函館北斗~札幌(途中駅:新八雲、長万部、倶知安、新小樽) |
距離 | 211.5km(新函館北斗~札幌) |
種類 | 第一種鉄道事業 |
軌間 | 1,435mm |
電化方式 | 交流25,000V |
単線・複線 | 複線 |
開業予定時期 | 2031年春(遅延の可能性) |
備考 | -- |
北海道新幹線の今後の見通し
北海道新幹線は札幌開業に向けて工事が進められていて、順調に進めば2031年春の開業が予定されています。ただし、順調に進んでいないようなので、開業は早くても2033年頃、遅ければ2035年春頃になりそうです。
途中、長万部や倶知安までの先行開業を唱える動きもあるようですが、決定したことはありません。
札幌~旭川間については、現時点ではまったく白紙です。札幌開業後に議論されることでしょう。