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横浜環状鉄道・グリーンライン延伸

横浜環状鉄道は、鶴見から日吉、港北ニュータウン、中山、二俣川、東戸塚、上大岡を経て、元町・中華街に至る鉄道路線計画です。途中の日吉-中山間が横浜市営地下鉄グリーンラインとして開業済みです。したがって、横浜環状鉄道は、グリーンラインの延伸計画でもあります。

横浜環状鉄道は、現時点では構想段階で、事業化や開業時期の予定などは決まっていません。

横浜環状鉄道の概要

横浜環状鉄道は、鶴見から日吉、港北ニュータウン、中山、二俣川、東戸塚、上大岡、根岸を経て元町・中華街に至る鉄道路線です。このうち、日吉~港北ニュータウン~中山間が横浜市営地下鉄グリーンライン(横浜市高速鉄道4号線)として開業しています。

横浜環状鉄道は、このグリーラインを鶴見・二俣川方面に延伸する一方、みなとみらい線を根岸方面に延伸する構想です。

路線の建設の意義としては、以下のような点が挙げられています。

  • 市域の主要な生活拠点を結び、横浜市の鉄道ネットワークのより一層の充実が図られる路線である。
  • 横浜駅を中心とした放射状の鉄道路線を短絡し、災害等による輸送障害発生時の代替経路が確保される。
  • 市域の主要な生活拠点を乗り換えなしでつなぐことにより、人の流れの増加、業務圏・商圏の拡大などが期待できる。

整備後は、日吉-鶴見が11分、中山-二俣川が11分、二俣川-東戸塚が9分、東戸塚-上大岡が8分、上大岡-根岸が6分、根岸-元町・中華街が9分で結ばれるとしています。ルートや途中駅などの詳細は未定です。

2014年の調査では、想定利用者数は1日42,000人~55,000人、概算事業費は6,600億円~7,200億円と見積もられました。

主な区間別の試算は以下の通りです。

日吉-鶴見
・想定利用客数:36,000人~51,000人/日
・建設費:1,100億~1,300億円

中山-二俣川
・想定利用客数:29,000人~34,000人/日
・建設費:1,400億~1,500億 円

根岸-元町・中華街
・想定利用客数:17,000人~19,000人/日
・建設費:1,300億~1,400億円

この試算は、鶴見-根岸間はグリーンラインのリニア式地下鉄を建設するという前提になっています。また、根岸-元町・中華街はみなとみらい線に乗り入れるとして、従来型鉄道での建設が想定されています。したがって、横浜環状鉄道が全線完成した場合でも、根岸が分界点となりそうです。

画像:横浜市資料

横浜環状鉄道の沿革

横浜環状鉄道計画の前身となる地下鉄計画は、1966年の都市交通審議会答申第9号に掲載されています。4号線として「鶴見-末吉橋-勝田-元石川付近」が盛り込まれました。

その後、1985年の運輸政策審議会答申第7号では、「日吉から高田町を経由して港北ニュータウンに至る路線」「その先横浜線方面への延伸」、「東神奈川からみなとみらい21地区を経由して元町付近に至る路線」「その先根岸方面への延伸」、「根岸から上大岡、東戸塚を経由して鶴ヶ峰に至る路線」が盛り込まれました。

2000年の運輸政策審議会答申第18号では、これらを統合して、「横浜環状鉄道(仮称)の新設」として、元町-鶴見間について2015年までに整備着手が適当である路線として位置付けました。

このうち、日吉-中山間が2001年1月30日に着工され、2008年3月30日に正式開業しました。

しかし、この区間以外については、着工に向けた準備は進んでいません。2016年4月20日の交通政策審議会答申第198号では、横浜環状鉄道について「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」のひとつとして位置づけられましたが、「事業性に課題」などとされています。

横浜市ではブルーラインの新百合ヶ丘延伸のメドが経った後に、横浜横断鉄道の事業化に向けた調査をするとしています。事業化検討のための予算はわずかながら付いていて、2022年度には300万円の予算が組まれました。

横浜環状鉄道のデータ

横浜環状鉄道のデータ
営業事業者 横浜市交通局ほか
整備事業者 未定
路線名 未定
区間・駅 鶴見-日吉-港北ニュータウン-中山-二俣川-東戸塚-上大岡-根岸 -元町・中華街
距離 約40km
種別 第一種鉄道事業
種類 普通鉄道
軌間 1435m、1067mm
電化方式 750V第三軌条、直流1,500V
単線・複線 複線
開業予定時期 未定
備考 --

横浜環状鉄道今後の見通し

横浜環状鉄道は、過去の鉄道計画をつなぎ合わせたような構想で、現在の想定経路のまま完成するかどうかすら定かではありません。そのなかで、実際に建設が想定されている区間は、横浜市が試算を行った「鶴見-日吉」「中山-二俣川」「元町・中華街-根岸」の3区間でしょう。

このうち、最も有力なのは、想定利用者数が多い鶴見-日吉間、次いで中山-二俣川間です。現状のグリーラインを両方向に延伸する形になります。とくに、鶴見-日吉間は沿線の人口密度も多いことから、実現可能性は高い区間と言えます。

ただ、横浜市は「鉄道を軸とした交通体系について」という資料で、ブルーラインの新百合ヶ丘延伸を「優先度の高い路線」と位置づけており、グリーンラインの延伸は、そのメドが立ってから調査に取りかかる姿勢を示しています。

したがって、横浜市営地下鉄グリーンラインの鶴見、二俣川延伸は、実現するにしても相当先になるとみられます。ブルーライン延伸は早くても2030年頃の開業とみられていますので、グリーンラインの開業予定時期は、2040年頃になるかもしれません。

元町・中華街-根岸は、みなとみらい線の延伸という形です。想定利用者数が1万人台にとどまるため、実現性は見通せません。完成すれば東急東横線にも繋がる路線なので、楽しみです。

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