日本の鉄道の新線・延伸、新駅計画をまとめた未来情報サイトです。

鉄道計画データベース

トップ >> 首都圏 >> 小田急多摩線

小田急多摩線延伸

小田急多摩線は、新百合ヶ丘-唐木田を結ぶ鉄道路線です。唐木田から先、相模原駅を経て上溝駅までの延伸計画があり、さらに愛川町方面から厚木市まで延ばす構想もあります。唐木田-上溝間については、2016年の国土交通省交通政策審議会答申198号に盛り込まれました。

唐木田-上溝間に、途中2駅(うち1駅が相模原駅)が設けられる計画です。開業予定時期は未定です。

小田急多摩線延伸の概要

小田急多摩線は1974年に新百合ヶ丘-小田急永山間が開業し、1990年に唐木田まで延伸されました。これを上溝まで延伸しようというのが小田急多摩線の延伸計画です。

小田急多摩線延伸は、相模原市と町田市が要望しており、「小田急多摩線延伸計画に関する研究会」がまとめた報告書(2014年3月)に提案されているルートは以下の通りです。

唐木田駅の先にある小田急唐木田車庫の東側2線を延伸して町田市に入り、小山田地区付近に「中間駅(A駅)」を設置。さらに米軍相模総合補給廠(ルート上は返還予定)を縦断し、相模原駅で横浜線と交差します。その先は県道503号の下を通り相模線上溝駅に到達します。

総延長は8.8km、設計最高速度は100km/hで、開業した場合、小田急多摩センター-上溝が約9分、新宿-相模原が49分、新宿-上溝が52分で結ばれるとしています。

1日の利用者数は6万9700人と予想、事業費用は約1080億円と試算されています。単年度で黒字転換に11年、累積収支が黒字になるまで36年かかるとしています。

町田市と相模原市は2014年5月26日、多摩線延伸推進に関する覚書を取り交わし、中央新幹線開業が予定される2027年までの実現を目指すことで合意しています。

上溝から先、愛川町に入り、相模川西岸を本厚木まで延伸する構想もあります。ただ、上溝以遠は構想段階で、ルートや事業費などの詳細案は出ていません。

画像:小田急多摩線延伸計画に関する研究会報告書(2014)

小田急多摩線延伸の沿革

1958年、小田急電鉄は、小田原線鶴川駅を起点とし、横浜線矢部駅、相模線上溝駅などを経由して津久井郡城山町(現・相模原市緑区)へ至る21.4Kmの「城山線」の免許申請を行いましした。この路線は結局実現しなかったのですが、小田急の上溝乗り入れの原点は、この城山線にあるともいえます。

多摩ニュータウンの開発が決まると、1964年に、小田急は喜多見駅を起点とし、稲城本町、多摩(多摩センター)、横浜線橋本駅を経由し城山町へ至る30.5Kmの新線建設免許を申請しました。これは、喜多見-稲城本町、稲城本町-城山間に分けて認可されます。

しかし、喜多見付近の住民から反対運動が起き、1967年に喜多見-多摩センター間の計画を放棄し、新たに新百合ヶ丘-多摩センター間の免許を受けました。この時点で、小田急多摩線は、新百合ヶ丘-多摩センター-橋本-城山に至る路線として計画されていたわけです。

1975年に小田急多摩線は小田急多摩センターまで開業します。しかし、多摩センター以西は京王相模原線と競合することもあり、小田急は1987年に小田急多摩センター-城山間の免許を失効させました。

城山延伸をあきらめた小田急は、多摩センターから南西方向への延伸を試みます。1990年3月に唐木田まで延伸し、唐木田駅の先には車両基地が設置されました。車両基地には留置線とは別に本線用線路が数百メートルほど敷かれ、さらなる延伸に備えた形となっています。

町田市、相模原市でも、小田急多摩線の延伸を求める声は強く、2000年の運輸政策審議会答申第18号で「唐木田から横浜線・相模線方面への延伸」が「今後整備を検討すべき路線」として盛り込まれました。

2006年8月には、ルート上にある在日米軍相模総合補給廠の一部返還が決定。これを受け、町田市、相模原市では、2006年11月に「小田急多摩線延伸検討会」を設立し、小田急などの協力を得て延伸の検討を進めました。2011年には、両市による「小田急多摩線延伸実現化検討調査」の結果をまとめ、これを公表しました。

唐木田から上溝に至る経路は、このときにおおむね決まり、途中駅も3駅とされています。

2012年7月に、検討会メンバーに学識経験者、国、東京都、神奈川県、多摩市を加えた「小田急多摩線延伸計画に関する研究会」を設置し、より深度化された検討を実施。2014年3月に調査結果を「小田急多摩線延伸計画に関する研究会報告書」としてまとめ、これを公表しています。

2014年5月には、町田市と相模原市が、協力して小田急多摩線延伸の取組みを進めることについて覚書を交わし、リニア中央新幹線の橋本駅開業する2027年度を開業目標としました。

2016年4月20日の交通政策審議会答申第198号「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」では、小田急多摩線の延伸(唐木田~相模原~上溝)が「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」として盛り込まれています。

答申198号では、収支採算性の確保などの課題が示され、これに関する意見交換・検討を行うため、町田市、相模原市などでは「小田急多摩線延伸に関する関係者会議」を2016年8月に新たに設置。課題の解決に向け検討しています。

上溝より先、愛川、厚木方面への延伸については、2009年7月に相模原市、厚木市、愛川町及び清川村により「小田急多摩線の延伸促進に関する連絡会」が設立され、検討が進められることになりました。2014年10月には取組状況報告を公表。JR相模線上溝駅から本厚木駅方面に延伸するルートについて、今後検討の深度化を図っていくこととしました。

小田急多摩線延伸のデータ

小田急多摩線延伸のデータ
営業事業者 未定
整備事業者 未定
路線名 未定
区間・駅 唐木田-上溝
距離 8.8km
種別 未定
種類 普通鉄道
軌間 1067m
電化方式 直流1500V
単線・複線 複線
開業予定時期 未定
備考 --

小田急多摩線延伸の今後の見通し

小田急多摩線の延伸は、2014年3月の「小田急多摩線延伸計画に関する研究会報告書」で、かなり具体化されたといっていいでしょう。米軍相模総合補給廠の変換が決まったことにより、実現への物理的な障壁はなくなりました。

事業化にあたっては、都市鉄道利便増進事業の適用し、小田急電鉄は整備費を負担しない「公設民営方式」を導入することを決めており、小田急も前向きに事業参加を検討しているようです。

課題は収支採算性で、需要の創出につながる沿線開発の取り組みが必要とされています。東京都と神奈川県にまたがる路線であるため、費用分担割合の決定にも議論が必要です。

そうしたハードルはあるにせよ、リニア中央新幹線が橋本に駅を作ることもあり、近辺を走る小田急多摩線延伸は有望といっていいでしょう。

ただ、相模原、町田両市が目標とする2027年度までの開業は、スケジュール的に難しく、開業予定は2030年代になるとみられます。

上溝以遠の延伸については、上溝延伸が実現してからの検討になりそうで、現時点では開業予定時期を予想する段階ではありません。

ソーシャル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんな記事も読まれています

↑ PAGE TOP