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蒲蒲線

蒲蒲線は、東急蒲田駅と京急蒲田駅を連絡し、羽田空港へのアクセス向上を実現する空港連絡鉄道の構想です。地元大田区では「新空港線」と名付けています。

東急多摩川線を延伸し、東急蒲田駅から京急蒲田駅の地下を経由し、京急大鳥居駅に至る計画です。蒲蒲線の開業予定時期は未定です。

蒲蒲線の概要

蒲蒲線は、東急多摩川線を矢口渡駅付近から、東急蒲田駅、京急蒲田駅付近の地下を経由し、京急空港線大鳥居駅に至る路線です。

東急多摩川線と京急空港線の直通運転も模索されていますが、東急多摩川線は狭軌(1067mm)、京急空港線は標準軌 (1435mm) と軌間が異なるため、現在の車両では乗り入れることはできません。そのため、フリーゲージトレインの導入が構想されています。

事業の旗振り役は大田区です。同区の案では、第1期として東急矢口渡駅-京急蒲田駅(地下)を狭軌で建設し、東急多摩川線の全列車が京急蒲田駅まで乗り入れます。

続く第2期で京急蒲田駅-大鳥居駅を建設し、途中軌道変換装置を設け、軌間可変電車(フリーゲージトレイン)によって直通運転をするという構想です。直通運転が実現すれば、東京メトロ副都心線・東横線・目黒線方面からの直通列車を東急多摩川線経由で運転し、渋谷や新宿などから羽田空港まで乗り換えなしで直結できるとしています。

画像:大田区

新空港線(蒲蒲線)計画は、2016年4月20日の交通政策審議会答申第198号「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」に盛り込まれ、「矢口渡から京急蒲田までの事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき」とされました。

一方、大鳥居までの延伸については、「軌間が異なる路線間の接続方法等の課題」があるとされました。フリーゲージトレインは開発中の技術であり、実用化のメドは付いていません。

仮に実用化したとしても、高額な車両になるため通勤電車に大量投入するのは困難という指摘もあります。実際のところ、東急蒲田~京急蒲田間は実現性があるものの、京急への直通運転のメドは全く立っていないといっていいでしょう。

大田区としては、198号答申に従って、第1期として東急多摩川線を京急蒲田駅までつなぎ、そこで京急空港線に乗り換える形の実現を目指しています。大田区の試算によると、矢口渡-京急蒲田間の建設費1260億円としています。


画像:大田区資料

関係鉄道会社としては、東急は計画に積極的な姿勢を見せている一方、京急はやや消極的です。東急は自社沿線から羽田空港へのアクセスが改善する計画なので悪い話ではないですが、京急は都内からの空港アクセスで自社の品川~蒲田間と競合するため、積極的にはなりにくいようです。

現時点では、第1期、第2期とも、着工時期、開業時期などは決まっていません。

蒲蒲線の沿革

蒲蒲線の調査が始まったのは1987年です。地元大田区が東西鉄道網の整備に関する調査を開始しました。

その後、2000年1月の運輸政策審議会答申第18号で「京浜急行電鉄空港線と東京急行電鉄目蒲線を短絡する路線の新設」として、2015年までに整備着手することが適当である路線に位置づけられています。

2006年1月には、大田区が「大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備計画素案」をまとめています。さらに、関係各社による勉強会なども立ち上げましたが、事業化にはなかなか至りませんでした。

東京都が2015年7月10日に発表した「広域交通ネットワーク計画について≪交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ≫」では、蒲蒲線は「整備について検討すべき路線」とされ、「優先的に整備を検討すべき路線」には入りませんでした。

2016年4月20日の交通政策審議会答申第198号「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」では、「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」として盛り込まれています。

蒲蒲線のデータ

蒲蒲線データ
営業構想事業者 東急電鉄
整備構想事業者 未定
路線名 未定
区間・駅 矢口渡~東急蒲田~京急蒲田~大鳥居
距離 3.1km(矢口渡駅-大鳥居駅)
種別 未定
種類 普通鉄道
軌間 未定
電化方式 1500V
単線・複線 複線
開業予定時期 未定
備考 --

蒲蒲線の今後の見通し

蒲蒲線は2000年の18号答申で「2015年までに整備着手することが適当な路線」とされ、建設が有力視されてきました。

しかし、なかなか着工できなかったのは、軌間の異なる東急と京急を直通させるという構想に無理があったからでしょう。3両編成の多摩川線に8両編成の東横線を乗り入れさせることにも難があります。東横線直通列車は多摩川線内無停車にするしかありませんが、そうすると途中で待避設備が必要になります。こうした問題は解決していません。

こうしたことから、大田区は東急蒲田駅と京急蒲田駅間の区間に絞って建設をする姿勢に転換しています。京急蒲田駅で乗り換えは生じるものの、東急東横線方面から羽田空港へのアクセスが改善するため、一定の効果はありそうです。

一方、JRが羽田空港アクセス線の建設計画に着手したことで、渋谷や新宿から羽田空港へのアクセス改善の見通しがついてきました。プロジェクトとしてはJR羽田空港アクセス線のほうが投資効果は高いため、蒲蒲線は後回しになりそうな雲行きです。

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