「SLやまぐち号」35系新客車の運転日と時刻表。2017年9月2日にデビュー。12系レトロ客車は8月で運転終了

「SLやまぐち号」の新客車が2017年9月2日にデビューします。旧型客車を復刻した新車両35系で運行され、JR西日本から運転日と時刻表も公表されました。

広告

特急「富士」の展望車がモデル

JR西日本では、「SLやまぐち号」の持続的な運転のため、老朽化した12系客車の更新として、SL全盛期の旧型客車を復刻した客車を新製・投入します。新車両は35系と名付けられ、2017年6月4日に公開されました。

SLやまぐち号35系
画像:JR西日本プレスリリース

1号車はグリーン車で、戦前の特急「富士」、戦後の特急「はと」「つばめ」などで使用された展望車マイテ49(一等車)をモデルとした車両です。横3列(2列+1列)の座席配置で、戦前の上級クラス車両の雰囲気がよく出ています。

車端部には、展望室、展望デッキが設けられています。展望デッキ、展望室は普通列車グリーン券の所持者のみ利用できます。せっかく乗るなら、グリーン車を狙いたいと思わせる車両です。

SLやまぐち号35系展望車
画像:JR西日本プレスリリース

2~5号車は普通車指定席で、座席は昔懐かしい4名ボックスシートです。2~4号車は丸屋根構造が特徴だったオハ35(三等車)がモデル、5号車は戦前を代表する客車のひとつであるオハ31(三等車)を模しています。

こうした内装の車両は戦後も走っていましたし、庶民にはこちらのほうが「懐かしい」と感じられる雰囲気です。

SLやまぐち号35系普通車
画像:JR西日本プレスリリース

3号車にはSLの歴史や仕組みを学べる展示スペースや、SL運転を体験できる「運転シミュレーター」、SLの仕組みをゲームで学習できる「投炭ゲーム」、販売カウンターがあります。

SLやまぐち号35系3号車
画像:JR西日本プレスリリース

また、5号車には多目的室および多機能トイレが設けられました。

全体に「快適性とレトロ感の両立」のコンセプトにしており、現在の法令に適合させながらも、戦前の列車の雰囲気を残した車両に仕上がっています。

35系「SLやまぐち号」の運転日と時刻表

35系新車両の「SLやまぐち号」の運転開始は、2017年9月2日。「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」の開催に合わせてデビューとなります。運転日と時刻表は以下の通りです。

「SLやまぐち号」35系客車運転日

【2017年】
9月2,3,9,10,16,17,18,23,24,30日
10月1,7,8,9,14,15,21,22,28,29日
11月3,4,5,11,12,18,19,25,26日
12月2,3,9,10,16,17,23,24日

9月~12月の土休日を中心に運転しますが、11月23日と12月30、31日の運転はありません。

SLやまぐち号2017年運転日
画像:JR西日本プレスリリース

「SLやまぐち号」35系客車時刻表

【津和野行き】
新山口10:50→湯田温泉11:06→山口11:13→仁保11:34→篠目11:57→長門峡12:03→地福12:31→鍋倉12:36→徳佐12:43→津和野12:59
・津和野行きの下り列車は地福駅にて14分停車。記念撮影などが行えます。

9月2日下りのみ、以下の時刻に変更
新山口10:50→湯田温泉11:06→山口11:13→仁保11:34→篠目12:05→長門峡12:11→地福12:39→鍋倉12:44→徳佐12:51→津和野13:07

【新山口行き】
津和野15:45→徳佐16:07→鍋倉16:13→長門峡16:32→篠目16:42→山口17:09→湯田温泉17:14→新山口17:30

牽引する蒸気機関車は、これまでどおり、おもにC57形1号機が担います。

35系新客車の運行開始にともない、現在の12系レトロ客車は2017年8月27日が最終運転になります。現12系もなかなか雰囲気のいい車両ですので、乗り納めの方はお早めに。(鎌倉淳)

広告
前の記事「愛媛・大分バス&フェリー切符」が発売。松山~大分間の新ルートが2017年夏季限定で登場!
次の記事JR九州がフリーゲージトレインの導入断念へ。九州新幹線長崎ルートはどうなる?「全線フル規格」なら財源論