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「Yahoo!トラベル」のリニューアルで、利用者には「ポイントばらまき」の恩恵か。楽天、じゃらんの対応に注目

「Yahoo!トラベル」が、この夏から大きく変わるようです。ヤフー株式会社は、2014年2月26日に国内宿泊予約事業における新戦略を発表し、これまでのYahoo!トラベルのビジネスモデルに加え、ヤフーと宿泊施設の間で直接契約するビジネスモデルを開始したことを明らかにしました。この新モデルで、ヤフーは宿泊施設からのシステム利用料(成約手数料)を無料とします。Yahoo!トラベルのリニューアルは、2014年夏頃になるようです。

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直接契約のプランも提供へ

これまでのYahoo!トラベルの国内宿泊予約は、おもにJTBや一休などの宿泊予約サイトのプランを紹介するだけで、宿泊施設とヤフーとの間での直接契約はありませんでした。今回の発表によると、従来の他社プラン紹介にくわえ、直接契約でホテルなどのプランを提供していくことになります。

新モデルの注目点は、宿泊施設が使うシステム手数料が無料、という点です。ただし、宿側は宿泊客に対して付与するポイントの原資を最低5%負担する必要があります。そのほか、ポイント付与に関する手数料が0.3%、アフィリエイト経由で予約された場合はその原資と手数料あわせて1.3%を負担しなければなりません。つまり、宿泊料の6.6%を宿泊施設側は負担することになります。

ヤフートラベル

格安の手数料

この6.6%というのは他の宿泊予約サイトの手数料に比べると格安です。たとえば、観光経済新聞(第2721号)によりますと、楽天トラベルではいわゆるシステム手数料だけで7~9%程度かかりますし、さらにポイント付与をすると、それも宿側の負担になります。アフィリエイト報酬の原資1%とその手数料0.3%も宿側の負担です。

楽天トラベルでもっとも低い7%手数料率であっても、ポイントとアフィリエイト報酬をあわせれば9.3%が宿側の負担です。仮にYahoo!トラベル同様の5%のポイント付与をするなら、最低でも13.3%を宿側が負担しなければなりません。ですから、今回のYahoo!トラベルのシステムが宿泊施設にとって格安なことがわかります。

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ポイント5%付与がカギ

Yahoo!トラベルの新システムのカギは、「ポイント5%付与」を義務づけた点にあります。宿側が宿泊予約サイトと契約する際に、同じプランは最安値を提示しなければならない、という条件があります。わかりやすく書くと、ホテル公式サイトでも、楽天トラベルでもじゃらんnetでも、同じ宿泊プランは同じ価格で販売しなければなりません。当然Yahoo!トラベルでも同じプランなら同じ価格にせざるをえず、「手数料要らないから安く売ってよ」と要求することはできません。

しかし、同価格でポイント付与率を上げることは可能です。「手数料要らないから、ポイント高くしてよ」というスタンスで宿泊客を増やし、宿泊施設側の利用も促す戦略なのです。

宿泊客にも宿泊施設にも恩恵

では、Yahoo!トラベルのシステムは、どの程度宿泊客と宿泊施設に恩恵があるのでしょうか。たとえば1万円の宿泊プランの場合で、Yahoo!トラベルでは必ず500円相当が宿泊客に還元されますが、楽天トラベルでは原則として100円相当しか還元されません。アフィリエイトを1%とすると、Yahoo!トラベルでは9,340円が宿泊施設側の実入りになりますが、楽天トラベルでは9,070円です。宿泊客にとっても、宿泊施設にとっても、Yahoo!トラベルのほうがメリットが大きいわけです。

宿泊客の立場としては、ポイントの質も大切です。楽天ポイントは汎用性が高く、それが大きな魅力でした。じゃらんではリクルートポイントが付与されますが、汎用性では楽天に劣り、そのためかポイントを2%還元に設定しています。今回、Yahoo!トラベルでは自社ポイントでなくTポイントを導入しました。これなら汎用性で楽天に劣りません。しかも5%ですから、宿泊客にはメリットが大きいでしょう。このメリットの大きさをPRして、サイト利用者を増やしていく戦略とみられます。サイト利用者が増えれば、Yahoo!トラベルを優先利用する宿泊施設も増えていくでしょうし、サイトに掲載する広告の価値も高まります。Yahoo!トラベルでは、このサイト広告が主な収入源になると思われます。

ポイント・クーポンばらまきが起こる?

では、楽天トラベルやじゃらんnetはどう対抗していくのでしょうか。先にも書きましたように、宿泊予約サイトの値段は全て同じになりますから、自社サイトだけ値段を下げることはできません。となると、ポイント付与率を高めるか、クーポンを発行するかのどちらかになるでしょう。いずれにせよ、サイト利用者は「ポイントばらまき」か「クーポンばらまき」の恩恵に浴することができるかもしれません。

ただし、宿泊予約サイトの一般的なシステムでは、ポイントやクーポンの原資の負担も宿側に求めることが多いです。とはいえ、それでは協力施設は限られるので、今回はサイト側がある程度負担せざるを得なくなるでしょう。その収入の穴埋めとして、楽天やじゃらんでも、サイト広告が増えていくかも知れません。

宿泊予約サイトは、現在、楽天トラベルと、じゃらんnetが国内において2強を形成しています。それをJTB(るるぶトラベル)、一休、エクスペディアなどが追う形です。これらの宿泊予約サイトがYahoo!の攻勢どう対応していくのかも注目です。この夏から、国内宿泊予約サイトの競争は一層激しくなるでしょう。

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