ウィラーが成田空港~白馬・立山黒部アルペンルート線を開設。LCCで着いた日に4列シートの夜行バスに乗るの?

ウィラートラベルは、成田空港と白馬を結ぶ夜行バス路線を開設すると発表しました。成田発は途中で立山黒部アルペンルートの玄関口・扇沢にも立ち寄ります。

同時に、成田空港会社は、成田空港から観光地に向かう高速バス路線を開設する「成田空港から観光地へダイレクト!(Narita Air & Bus!)」の取り組みを始めると発表しました。

「Narita Air & Bus!」の第1弾が、ウィラーの成田空港~白馬線というわけです。運行開始は7月31日です。

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YCATを経由

ウィラーの成田空港~白馬線は、成田発は途中で横浜(YCAT)を経由します。白馬発は成田空港を経由しYCATが終点となります。時刻表は以下の通りです。

■成田空港・横浜→扇沢・白馬時刻表
成田空港23:05→YCAT0:35→東部湯の丸4:20→信濃大町駅前6:00→大町温泉郷入口6:10 →扇沢6:40 →白馬五竜7:25 →白馬町7:35 →白馬八方7:40

■白馬→成田空港・横浜時刻表
白馬八方21:20→白馬町21:25→白馬五竜 21:35→大町温泉郷入口22:05→信濃大町駅前22:25 →東部湯の丸0:05 →成田空港5:00 → YCAT6:30

時刻表を見ると、このバスが、成田空港のLCC夜間到着便や早朝出発便に接続していることがわかります。成田空港は第3ターミナルのみの発着です。YCAT経由としたのは、成田からの利用者がどの程度いるかわからないため、横浜からの需要で利用者数のベースを固めるという意味があるようです。成田~YCATのみの利用はできません。

復路は扇沢を経由しませんが、これは夜遅すぎてアルペンルートからの客を拾えないためとみられます。

成田~白馬バス

アルピコは昼行便で運行実績

通常運賃は片道5800円から6800円。7月31日から9月30日まではキャンペーン価格として、座席数限定で3000円の価格設定をしています。運行期間は春夏秋限定で、立山黒部アルペンルートがオープンしている4月中旬から11月下旬までです。

成田空港と白馬の間は、スキー客を対象に冬期限定でアルピコ交通が片道9,000円で運行しています。ただ、アルピコは昼行便でしたので、この区間の夜行便は初めてです。

ウィラーで使用する車両のシートはプレスリリースにありませんが、予約サイトで試してみると4列シートのリラックスのようです。

路線拡大も検討

成田空港発着の夜行便という意味では、日本人の需要は少ない路線かもしれません。札幌や福岡からアルペンルートに行くときには使えそうですが、効率的な旅行ルートではありませんので、利用者は限定的でしょう。ただ、YCATからの利用ができますので、神奈川県からアルペンルートへ行くには便利そうです。もちろん、成田近隣にお住いの方には便利でしょう。

成田空港会社では、この路線の利用状況をみたうえで、「Narita Air & Bus!」の路線拡大を検討していくようです。成田空港から観光地へのバス路線はたしかに手薄なので、こうした路線は外国人観光客には便利でしょう。たとえば飛騨高山や妻籠といった外国人に人気の観光地や、伊豆箱根富士といった手近な観光エリアまで、路線バスが充実するのであれば、素晴らしいことです。

こんな強行軍の旅をするのか?

とはいえ、旅行者の立場になって考えてみましょう。LCCで成田に着いて、そこから4列シートの夜行バスで扇沢へ行き、翌朝アルペンルートを横断するとか、ちょっとしんどそう。自分だったらムリだなあ、と思わなくもなく。

でも、パワフルな外国人観光客なら、こんな強行軍の旅をするのかもしれません。アルペンルートは外国人に人気だそうですし、短い旅行日程で走破しようとするのなら、このバス路線は便利でしょう。

そんな旅行者がどれだけいるのか。来年や再来年にこの路線が運行されているかどうかで、結果がわかりそうです。

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