和歌山線・桜井線に227系ロングシート車を投入。105系など置き換え

ちょっとしたサプライズ

JR西日本が、和歌山線と桜井線に227系電車を投入することを明らかにしました。2020年春までに2両編成28本の計56両を新規製造し、老朽化した105系電車や117系電車を置き換えます。

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105系、117系を更新

和歌山線は王寺~和歌山間87.5km、桜井線は奈良~高田間29.4kmの路線です。和歌山線の輸送密度(2016年度)は4,980、桜井線は5,354で、大阪近郊の路線ですが利用者はそれほど多くありません。

そのためか、両線にはJR発足以来、105系や117系といった古い国鉄型車両が使われてきました。

しかし、これら国鉄型車両の老朽化が著しいこともあり、JR西日本では、更新用として、227系を2019年春から投入すると発表しました。227系は、2015年3月のダイヤ改正で山陽本線の広島エリアに投入されている新型通勤電車です。

227系和歌山線
画像:JR西日本

車載型ICカード改札機も

広島エリア向けの227系は、外観に赤が配色され「Red Wing」(レッドウィング)という愛称が付けられましたが、和歌山・桜井線向けは、扉の両側付近に緑色が配されました。

車内のシート配置はロングシート。車端部には車椅子スペースを設けます。LED照明や多機能トイレ、自動温度調節式の空調装置、情報案内装置、日英2カ国語による自動放送装置などの最新機器を備えます。

出入口には車載型ICカード改札機も設置。これにより、和歌山・桜井線でICカード乗車券『ICOCA』(イコカ)が使用できるようになります。両線には無人駅も多いため、現在は車内で現金支払いをすることもありますが、ICOCAの導入でそれが解消されれば、乗降がスムーズになりそうです。

227系和歌山車内
画像:JR西日本

ちょっとしたサプライズ

和歌山・桜井線の227系は、2019年春から順次投入を開始。全車両の置き換え完了は、2020年春になります。ICOCAの両線での運用開始も2020年春の予定です。

一部は紀勢線も走る予定です。ちなみに、227系の近畿圏の運行は初めて。近畿初の227系が和歌山、桜井両線に投入されるというのは、ちょっとしたサプライズといえるかもしれません。利用者減少が続く両線をてこ入れする姿勢を、新車投入で示したと言えそうです。

一方、長く国鉄型車両として愛されてきた105系と117系は、両線からまもなく姿を消すことになります。(鎌倉淳)

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