バニラエアが2016年3月期に黒字化へ。5億円の営業利益見込む。LCCはなぜANA系が強いのか?

格安航空会社LCCのバニラエアが2016年3月期決算で黒字になる見通しです。前期は37億円の営業赤字でしたが、今期は5億円程度の営業黒字に転換するとのこと。日本経済新聞が報じました。

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乗客は6割増

バニラエアは、ANAホールディングス100%出資の格安航空会社LCCです。もともとはエアアジア・ジャパンとして出発しましたが、2013年にエアアジアとの合弁を解消。ANAの完全子会社となりました。

設立以来赤字が続き、第4期となった2014年3月期決算では、123億円の売上高に対し、営業損失が37億円、純損失は40億円に達しています。

しかし、第5期となった今期は好調。2015年8月26日付日本経済新聞によりますと、今期の乗客数は前期比6割増の180万人を見込んでおり、搭乗率は80%後半に達するとのこと。原油価格の値下げも寄与し、2016年3月期は約5億円の営業利益を計上する見通しと報じています。

バニラエア

豊富なインバウンドを取り込む

バニラエアは成田空港を拠点に札幌、奄美、那覇、台北、高雄、香港に就航しています。国内LCCながら国際線を重視しており、訪日客需要を取り込んでいます。そうした路線展開が奏功した、ということでしょう。

国内LCC4社のうち、ピーチはすでに黒字化を達成していますが、バニラエアも黒字化することで、ANA系の2社が経営を軌道に乗せることになります。LCCはなぜANA系が強いのでしょうか。

その理由ははっきりとはわかりませんが、共通するのは、ピーチもバニラエアも国際線の拡充に力を入れはじめて経営が改善したことです。どうやらLCCが国内で稼ぐのは容易ではなく、成長するには豊富なインバウンド需要を取り込むことが必要なようです。

ジェットスターはどうなる?

一方で、気になるのはJAL系のジェットスター・ジャパン。同社は成田を拠点に国内線中心に路線展開し、収益面で苦労しています。しかし、同社もようやく国際線にも進出。今後は、経営改善が見込まれています。国内線の搭乗率も徐々に上向いているようです。

利用者としては、いずれの会社にも頑張っていただいて、健全な競争と低価格の維持を期待したいところです。

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