宇都宮ライトレールが2022年3月開業へ。初めてのLRT全線新設

国土交通省は宇都宮市と栃木県芳賀町が申請していたLRTの軌道敷設の工事施行を2018年3月20日に認可します。認可を受け、両市町は3月中にも着工する見通しで、日本初となるLRTの全線新設が実現することが確実になりました。開業予定は2022年3月です。

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14.6kmのLRT新線

宇都宮LRTは、栃木県宇都宮市と芳賀町が主体となって整備を進めている路線で、全体整備区間として、宇都宮市中心部西側の桜通り十文字交差点~JR宇都宮駅~宇都宮テクノポリス~芳賀・高根沢工業団地までの約18kmが計画されています。

今回認可されるのは、このうち「優先整備区間」とされるJR宇都宮駅東口~本田技研北門(芳賀町)の約14.6km。自動車道路との併用区間が約9.4km、鉄道車両のみが走行する専用区間が約5.1kmで、停留所は合計19箇所です。

総事業費は概算で458億円です。上下分離方式で整備され、宇都宮市・芳賀町が設備を保有し、新たに設立された第三セクターの宇都宮ライトレール株式会社が運行を担います。

宇都宮LRT
画像:宇都宮市

宇都宮LRT路線図
画像:宇都宮市

3連接車両で運転

開業後、走行するのは低床式車両(LRV)で、3車体連接、全長約30m、定員が155人です。最高速度40km/hで運行され、全線の所要時間は約44分(快速運行の場合、約37分~38分)が予定されています。

現在は軌道運転規則で運転最高速度が40km/hと規制されていますが、宇都宮ライトレールでは専用区間で70km/hでの高速走行を目指していて、車両性能は70km/hに対応しています。そのため、規制緩和があれば、将来的に時間短縮が図られる可能性もあります。

運転間隔はピーク時が6分間隔(毎時10本)、オフピーク時が10分間隔(毎時6本)です。運賃は、初乗り150円~400円と想定されています。

高度成長期以降、国内の路面電車の本格的な新設は数十年ぶりとなります。LRTとしての全線新設は今回が初めてです。

認可・着工となったものの、土地買収など、開業へ向けて超えなければならないハードルは残されています。また、開業後は、1日当たり約16,300人と試算されている利用者を本当に確保できるのかといった、経営問題にスポットがあたっていくことでしょう。(鎌倉淳)

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