宇都宮LRTの事業者候補の4社が判明。両備グループは当確か。「第二の岡山電軌」が栃木に誕生?

宇都宮LRTの運営主体に関心を示している4社が明らかになりました。東野交通、関東自動車、JRバス関東、両備グループです。軌道系交通機関を現時点で運営しているのは両備グループのみとなります。また、地元の大手私鉄である東武鉄道は運営参画に慎重姿勢を示していることも明らかになりました。日本経済新聞が報じました。

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宇都宮市内で12kmの建設計画

宇都宮市のLRTは、JR宇都宮駅東口~テクノポリス東間の約12kmで建設計画があり、2016年度の着工、2019年の開業を目指しています。

LRT導入計画では、宇都宮市は市議会への説明会で、運行事業者について、民間の4社が関心を示していることを明らかにしていました。また、運転士養成などの技術協力では、東急電鉄、富山地方鉄道、京福電気鉄道、岡山電気軌道、広島電鉄の5事業者が協力する意向であることも判明しています。

運行事業者については、宇都宮市が2014年11月から2015年1月にかけて調査を実施し、路面電車を運行する全国の民間軌道事業者14社と、地元のバス・鉄道事業者5社の計19社に意向を確認しました。このうち4社から事業参画に関心を示す回答がありましたが、企業名は明かされていませんでした。

宇都宮LRT導入イメージ

地元バス会社2社、JRバスと両備グループ

3月4日付日本経済新聞北関東版によりますと、運行に関心を示す回答があった4社は東野交通、関東自動車、JRバス関東、両備グループとのことです。東野交通と関東自動車は地元栃木県のバス会社、JRバス関東は本社は東京ですが、栃木にも路線を持っています。両備グループは岡山県のバス会社ですが、グループ内に岡山電気軌道があり、路面電車を運行しています。

宇都宮市はノウハウゼロからLRTを立ち上げるわけですので、既存の軌道系交通機関事業者の協力は不可欠です。となると、両備グループの運営参加はほぼ当確とみられます。宇都宮市は、運行事業者の条件として安全な運行や経営の継続性を挙げていますが、両備グループは自社エリア外の和歌山電鐵で鉄道再建の経験もあり、実績としては十分でしょう。

ただ、地方自治体の事業なだけに、地元企業を排除する形で進めるわけにはいかないかもしれません。そのため、両備グループ単独での選定は避け、新会社を設立して複数社の出資を受け入れるなどの形になる可能性も高そうです。

いずれにしろ、まだ確定事項はありません。宇都宮市は2014年度の事業者選定を目指していましたが、3月中に決着するかどうかは微妙な情勢のようです。

東武鉄道は社長が消極的

日経の同紙面では、東武鉄道の根津社長のインタビューを掲載しており、宇都宮LRTへの参画に消極的な姿勢を報じています。宇都宮市としては、地元大手私鉄の東武鉄道が主体となることを望んでいたようですが、インタビュー記事を読む限り、その可能性は低そうです。

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