「タッチでGo!新幹線」の全価格。自由席回数券設定区間では実質値上げ

新幹線駅間ではお得ですが

JR東日本が、2018年4月1日開始予定の新サービス「タッチでGo!新幹線」の詳細を明らかにしました。「Suica」など交通系ICカードを自動改札機にタッチするだけで新幹線の普通車自由席に乗車できるサービスで、通常価格より少し安く設定されました。

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自動券売機で登録が必要

「タッチでGo!新幹線」の対象エリアは、東北新幹線の東京~那須塩原間、上越新幹線の東京~上毛高原間、北陸新幹線の東京~安中榛名間、の3区間です。

この区間では、「Suica」「PASMO」など交通系ICカードを自動改札機にタッチするだけで新幹線の普通車自由席に乗車できるようになります。利用には事前登録が必要で、JR東日本の駅の自動券売機で簡単に手続きできます。

タッチでGo!新幹線

タッチでGo!新幹線利用範囲
画像:JR東日本ウェブサイトより

独自の価格体系に

「タッチでGo!新幹線」は、運賃と料金が一体化した独自の価格体系となり、在来線の料金とは別立てになります。そのため、新幹線からの乗り換えで在来線を利用する場合に運賃が通算されず、別途在来線の運賃が必要になります。

「タッチでGo!新幹線」の価格は以下の通りです。( )内は通常価格との差額です。

「タッチでGo!新幹線」全価格表

■東京発着
上野 920円(-100円)
大宮 1,540円(-80円)
小山 3,500円(-40円)
宇都宮 4,210円(-200円)
那須塩原 5,150円(-240円)
熊谷 3,190円(0)
本庄早稲田 3,500円(-40円)
高崎 4,210円(-200円)
上毛高原 5,150円(-240円)
安中榛名 4,530円(-210円)

■上野発着
大宮 1,230円(-100円)
小山 3,090円(-40円)
宇都宮 4,010円(-190円)
那須塩原 4,940円(-240円)
熊谷 2,980円(0円)
本庄早稲田 3,290円(-40円)
高崎 4,010円(-190円)
上毛高原 4,940円(-240円)
安中榛名 4,320円(-240円)

■大宮発着
小山 1,950円(0)
宇都宮 3,090円(-70円)
那須塩原 4,730円(-130円)
熊谷 1,430円(-10円)
本庄早稲田 2,680円(-130円)
高崎 3,090円(-70円)
上毛高原 4,730円(-130円)
安中榛名 3,500円(0円)

■小山発着
宇都宮 1,330円(-30円)
那須塩原 3,080円(-80円)

■宇都宮発着
那須塩原 1,640円(-60円)

■熊谷発着
本庄早稲田 1,130円(-140円)
高崎 1,540円(-80円)
上毛高原 3,290円(-40円)
安中榛名 2,780円(-30円)

■本庄早稲田発着
高崎 1,020円(-160円)
上毛高原 2,980円(0円)
安中榛名 2,470円(-40円)

■高崎発着
上毛高原 1,640円(-60円)
安中榛名 1,130円(-50円)

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在来線乗り継ぎは割高になる場合も

「タッチでGo!新幹線」の価格は、当該新幹線区間のみを利用する場合は、通常運賃・料金と同額か、安く設定されました。JRはこの価格を「本サービス開始から当分の間」としていますが、少なくとも2019年10月に予定されている消費税増税までは、価格に変化はなさそうです。

「タッチでGo!新幹線」を使って新幹線と在来線を乗り継ぐ場合は、新幹線と在来線の運賃が打ち切り計算になります。ご覧の通り、新幹線と在来線の差額が初乗り運賃以下の区間も多いので、「タッチでGo!新幹線」を使うと割高になるケースもあります。

とはいえ、東京近郊で新幹線を近距離で使う人は少ないと思います。利用者が多い東京~宇都宮、高崎といった区間では、200円程度の割引になっていますので、打ち切り計算でもお得になる場合が多そうです。

自由席回数券が廃止

「タッチでGo!新幹線」サービス開始にともない、新幹線自由席回数券が廃止となります。

現在、新幹線自由席回数券が設定されているのは「東京~小山・熊谷・本庄早稲田」「大宮~宇都宮・高崎」だけです。これら区間の回数券1枚当たりと「タッチでGo!新幹線」の価格を比べると以下のようになります。

・東京~小山 2,980円→3,500円
・東京~熊谷 2,780円→3,190円
・東京~本庄早稲田 3,390円→3,500円
・大宮~宇都宮・高崎 2,670円→3,090円
 
ご覧のように、おおむね10%以上の値上げになります。つまり、自由席回数券の愛用者には、「タッチでGo!新幹線」導入は、実質的な値上げになる場合もあります。

JR西日本では、ICOCAのポイントサービス導入に伴って、「昼間特割きっぷ」の販売終了を予告しています。こうした「ICカードの新サービス導入にあわせた、割引率の高い紙のきっぷ廃止」が、これからの流れになっていくのでしょうか。その点は、少し心配です。(鎌倉淳)

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