東京駅とニューヨーク・グランドセントラル駅が姉妹駅締結。「歴史的駅舎」の保存活動を世界へ広められるか

JR東日本が、「東京駅」と「ニューヨーク・グランドセントラル駅」(メトロノース鉄道) の姉妹駅締結を発表しました。締結予定日は2013年3月19日で、ニューヨーク・グランドセントラル駅構内にて締結予定です。

東京駅は1914年12月20日に開業。2013年10月に丸の内駅舎の保存復原が完成しました。ニューヨーク・グランドセントラル駅の現駅舎は1913年2月1日に開業。どちらの駅舎も2013年から2014年にかけて生誕100周年を迎える歴史的建造物です。このタイミングで、両駅間の友好関係を確認し、日米両国の鉄道と観光の交流を推進するのが、姉妹駅締結の目的とのことです。

グランドセントラル駅は近距離通勤電車のターミナル的存在で、日本でいえば東京駅というより新宿駅に近い存在です。ニューヨークの長距離鉄道のターミナルはペン駅ですが、こちらの歴史的駅舎はすでに取り壊されマジソン・スクエア・ガーデンになってしまいました。グランドセントラル駅も取り壊しの危機にありましたが、それを乗り越え保存されました。

グランドセントラル駅

赤レンガの東京駅舎も取り壊しの危機に立ったことがありましたが、それを乗り越えて修復が完了したわけで、その意味でも両駅の立ち位置は似ています。これを機会に、日米両国のさまざまな駅舎の保存に力を入れて欲しいですね。

鉄道駅舎は都市の中心部に位置しているため、取り壊されやすいのが宿命です。日本でもアメリカでも、これまで数多くの素晴らしい駅舎が失われてきました。古い駅舎が観光的価値を持つことが知られてきたことは、世界の鉄道建造物の保存という視点で見ても、価値のあることに思えます。たとえば、中国の大連駅なども、上野駅と姉妹提携して保存ができれば素晴らしいことで、ぜひこれを機会に世界の駅舎との姉妹駅締結を進めてほしいところです。

なお、アメリカの鉄道駅との姉妹駅締結は、日本の鉄道駅としては初めてです。

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