相鉄の都心直通プロジェクト開業時期が再延期へ。JR直通は2019年秋、東急直通は2022年頃に

相模鉄道の「都心直通プロジェクト」の開業時期が遅れる見通しであることがわかりました。現在の計画から、相鉄・JR直通線は半年遅れの2019年秋ごろ、相鉄・東急直通線は3年半遅れの2022年ごろになる見通しです。神奈川新聞が報じました。

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当初開業予定は2015年4月

相鉄の「都心直通プロジェクト」は、相鉄線の西谷駅~羽沢駅間に新線を建設し、羽沢駅からJR東海道貨物線や横須賀線を経由して都心につながる「相鉄・JR直通線」と、さらに新横浜駅、新綱島駅を経て日吉駅まで新線を建設し、東急線に乗り入れる「相鉄・東急直通線」の2段階で建設が進められています。

当初の予定では、相鉄・JR直通線の開業時期は2015年4月、相鉄・東急直通線の開業は2019年4月とされていました。しかし、2013年に相鉄・JR直通線の開業予定を2018年度(2019年春ごろ)に繰り下げることを発表しています。

神奈川新聞2016年8月25日付によりますと、これがさらに再延期になるとのこと。相鉄・JR直通線は現在の予定から半年ほど遅れた2019年秋ごろとなり、相鉄・東急直通線は3年半ほど遅れた2022年ごろにずれ込むとしています。

遅延にともない、事業費も現在の2739億円から1200億円以上増え、4000億円を超える見通しだそうです。

相鉄リニューアル車両
画像:相鉄ホームページより

相鉄は否定せず

今回の延期の理由として、深夜も運行している東海道貨物線ダイヤの合間に工事を実施せざるを得ないこと、新駅設置などに伴う用地取得が滞っていること、想定よりも地盤が弱かったことで地盤改良など追加の工事が必要となったこと、などが挙げられているようです。

これらの報道について、相鉄は、「鉄道・運輸機構より当社及び当社のグループ会社が正式に通知を受けたものではありません。今後、当社としてお知らせすべき事実が発生した場合は、速やかに開示いたします」との見解を発表しています。記事内容を否定していません。

相鉄都心直通プロジェクト

リニューアル車両は登場済み

相鉄の都心直通プロジェクトは、同社がまさに社運を賭けた一大事業です。開通すれば、相鉄線の西谷や二俣川から新横浜、渋谷、新宿、大宮、永田町、大手町などへ直通列車が走るわけで、相鉄線の利便性は格段に上がります。それだけに、遅延は痛手でしょう。

相鉄は、すでに直通運転に向けて車両のリニューアルなどを行っており、すでに運転を開始しています。また、新型車両の投入も準備中とのこと。相鉄沿線の利用者としても、遅延が最小限にとどまることを願いたいところでしょう。(鎌倉淳)

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