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島原鉄道が長崎自動車傘下で再建へ。鉄道路線は維持

実質的に債務超過

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長崎県の島原鉄道が、自主再建を断念し、長崎市内などでバス事業を展開する長崎自動車の傘下で経営再建すると発表しました。同社と政府系ファンドの地域経済活性化機構の出資を受けて、事業再生を目指します。

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雲仙普賢岳噴火の影響も

島原鉄道は、長崎県の島原半島で鉄道、バス、フェリー事業を手がける交通事業者です。1909年設立で、鉄道路線は諫早~加津佐間を結んでいましたが、島原外港~加津佐間は2008年に廃止されています。

鉄道路線のほか、島原半島でのバス事業や、熊本県を結ぶフェリーも運航しています。しかし、1990年の雲仙普賢岳の噴火で被災した影響や、地域住民の高齢化による利用者の減少などで経営が悪化、老朽化した設備の更新などができなくなっていました。

島原鉄道

実質的に債務超過

島原鉄道の2017年3月期の売上高は18億2200万円、経常損益は2億5700万円の赤字でした。国や県、沿線4自治体の補助を受けても1300万円の純損失を出しており、累積赤字は7億5000万円に上ります。

日本経済新聞2017年11月14日付によりますと、同社は「実質的に債務超過の状態」にあったとのことで、自主再建を断念。主力銀行の十八銀行と親和銀行の判断もあり、地域経済活性化支援機構に支援を要請していました。

今後は、島原鉄道が12月に臨時株主総会を開き、再生計画の承認を得た上で、長崎自動車と地域活性化機構が第三者割当増資を引き受け、議決権割合で90%超の株式を保有します。

これにより、島原鉄道は長崎自動車の子会社となり、経営再建を目指します。長崎自動車は島原鉄道に社長や役員を派遣し、島原鉄道の社長には長崎自動車出身者が就任する予定です。

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鉄道、バス路線網は原則維持

十八銀行と親和銀行は債権を放棄。他の金融機関にも債権放棄を要請します。島原鉄道の社名や従業員の雇用、鉄道、バス、フェリーの路線網は原則維持するとしています。

長崎自動車とは連携し、外国人観光客の雲仙・島原への誘客を強化したり、貸切バス事業の共同受注や運行管理を共通化するなどして、収益を改善するとしています。

人口減少が続くなか、ローカル線を有する地域鉄道会社の経営は各地で難しくなっています。同県内の広域連携で経営再建を目指す島原鉄道の試みは、今後の地方私鉄経営再建の、モデルケースとなる可能性もありそうです。(鎌倉淳)


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