サウジアラビアのメッカ・メディナを結ぶ「ハラマイン高速鉄道」が2018年3月にも開通。聖地巡礼はAVEで!

サウジアラビアのメッカ-メディーナを結ぶ「ハラマイン高速鉄道」が2018年3月にも開業します。スペインの「AVE」車両が試運転で330km/hを達成。完成後は、両聖地を2時間半で結ぶとのことです。

広告

スペインコンソーシアムが逆転受注

ハラマイン高速鉄道は、サウジアラビアの2つの巡礼地であるメッカとメディナ間を、ジェッダを経由して結ぶ450kmの路線です。当初、フランスの高速列車TGVが導入される可能性が高かったのですが、スペインのファン・カルロス国王(当時)がサウジアラビアのアブドラ国王(当時)をリヤドに訪問し、スペインのコンソーシアムが逆転受注。2012年に契約が交されました。

とはいえ、砂漠地帯に高速鉄道を敷設する事業は簡単ではありません。線路にたまる砂の処理と暑さ対策が問題となり工事は難航。2016年には、建設期間を14ヶ月延長していました。

サウジアラビア高速鉄島

最高速度330km/h

PRESSDIGITAL JAPAN」によりますと、このほどAVE電車は試運転を実施、最高速度330km/hを達成したとのこと。車両はタルゴ350型。スペイン本国で2006年に同国鉄道最高速度記録365km/hを樹立した車両で、設計最高速度は350km/hです。

サウジアラビア用のモデルは、砂漠の高気温など極限環境に適応しているそうで、300km/hの営業運転を予定しています。これまで自動車で18時間もかかるとされたメッカ-メディナ間が、2時間半で結ばれます。

ハラマイン高速鉄道は、サウジアラビア王家やプライベート用に運転された後、2018年3月に一般人向けの営業運転が始まるそうです。これからは、「聖地巡礼はAVEで!」という時代になるのでしょうか。

ハラマイン高速鉄道の動画
https://youtu.be/yz0SrCRlMsc

日本人観光客は乗れない?

砂漠の中を突っ走るAVEは、われわれ旅行者もぜひ乗ってみたいところ。しかし、サウジアラビアは観光ビザを発給しないので、一般の日本人が入国するのは困難です。

2017年3月にサウジアラビアのサルマン国王が来日し、ビザ発給の円滑化に関する覚書が結ばれましたが、現時点でサウジアラビアの観光ビザが取りやすくなったとの情報はありません。ましてメッカはイスラム教徒以外は入れないので、多くの日本人にとって、この列車に乗るのは難しそうです。(鎌倉淳)

広告
前の記事JR西日本「新たな長距離列車」わかっている情報まとめ。京阪神~山陽・山陰などの観光列車が2020年までに登場
次の記事ゆいレールが2017年8月にダイヤ大改正、「金曜ダイヤ」を創設へ。フリーきっぷ値上げも実施