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大阪環状線から103系がついに引退か。JR西日本中期経営計画で「ブラッシュアップ」されても失われてほしくない「昭和感」。

大阪環状線と山手線は、「環状路線」であるということを除けば、ほとんど共通項のない路線です。たとえば、山手線は有楽町、渋谷、新宿、池袋、上野、神田といった東京の中心市街地を結びますが、大阪環状線は梅田や天王寺こそ通るものの、淀屋橋や心斎橋、難波は経由しません。山手線は環状運転のみの閉鎖された路線ですが、大阪環状線は阪和線や大和路線からの直通列車が走ります。山手線は新幹線に接続しますが、大阪環状線は新幹線には接続しません。

ということで、山手線と大阪環状線を比較することにあまり大きな意味はないのですが、それでも大阪環状線に乗ってみると、山手線と比較したくなるものです。とくに駅や車両については、大阪環状線は古い駅施設と古い車両をいつまでも使っていて、山手線の整備された駅や最新鋭の車両と比べると、ずいぶん違うと感じます。

大阪環状線

その駅施設と車両が、ついに更新されるようです。JR西日本がこのほど発表した中期経営計画によりますと、「大阪環状線のブラッシュアップ」が含まれています。具体的には、「駅美化、駅改良、車両新製、高架下空間・駅周辺の魅力向上、自治体・他社との連携など」が記され、駅改良や車両の更新が明示されました。中期経営計画に個別路線を明示するくらいですから、かなり本腰を入れた施策を取ると思われます。

大阪環状線の車両の主役は、いまも103系です。筆者は10年ほど前に大阪環状線の沿線に住んでいたことがあり、そのときですら「古いなあ」と思ったものですが、10年経った今でも走っていることに驚きます。とはいえ、103系は名車ですし、環状線なんて乗っても20分くらいのものですから、とくに不快を感じることはありませんでした。むしろ、いつまでも走り続けて欲しいもの、と考えていたくらいです。

その103系も、新型車両の投入にともなって、いよいよ大阪環状線から姿を消す日が近づいてきた、といえるでしょう。新しい車両が大阪環状線に入ることに異議はありませんし、お世辞にも綺麗とは言えない駅施設が改良されるのもいいことでしょう。でも、大阪環状線の魅力は、山手線では失われつつある昭和の香りと庶民性がたっぷりと残っている点にもあります。

とくに、筆者は天満駅の雑多な雰囲気と、ホームに上がったときに眺められる雑居ビルと一体化した昭和感が好きでした。もし、天満駅がこぎれいになり、恵比寿駅みたいになってしまったら、それはそれで残念だな、とも思います。

今回の中期経営計画に示されたキャッチフレーズは「大阪環状線を『行ってみたい』『乗ってみたい』線区へ」というものです。どういう路線が「行ってみたくて乗ってみたくなるのか」は議論があるでしょうが、こぎれいな現代的な車両と駅が揃っている路線とは限りません。すでに沿線住民ではなくなってしまった者の勝手な感想ではありますが、大阪環状線のあふれんばかりの昭和感は、多少なりとも保存してほしいものです。

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