JR東日本がE5系、E6系に「荷物置場」を新設。新幹線全編成への設置も視野。そろそろJR東海も作ったら?

JR東日本は、新幹線の荷物置場の設置を拡充します。E5系以降の全ての新幹線車両に荷物置場を作り、スーツケースなどの持ち込みがしやすくなります。大きな荷物を持って新幹線に乗車するのがラクになりそうです。

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東北・北海道・秋田新幹線車両に設置

荷物置場が新たに設置されるのは、東北・北海道新幹線のE5系と秋田新幹線のE6系です。JR北海道が保有するH5系にも設置されます。

E5系とH5系は普通車の2・4・6・8号車とグリーン車の9号車、E6系は普通車の13・15・17号車とグリーン車の11号車に荷物置場が新設されます。客室内の車両端の一部の座席を撤去し、普通車は東京方、グリーン車はデッキスペースに荷物置場が新設されます。

2017年7月から導入を開始し、2018年8月頃までに上記車両の全編成に荷物置場が新設されます。

新幹線荷物置き場
画像:JR東日本

荷物置き場
画像:JR東日本

E7系は設置済み

JR東日本では、北陸新幹線のE7系でも、当初はなかった荷物置場を、2015年の10月から12月にかけて新設しました。荷物が多い訪日外国人や、冬季のスキー・スノーボード客の増加に対応するためです。JR西日本が保有するW7系も準じています。

今回の措置により、JR東日本・北海道管内の新幹線で、E5系以降のすべての新幹線車両に荷物置場が設置されることになります。このほか、E2系とE3系にも、一部編成を除き荷物置場は設置されています。

JR東日本の新幹線車両では、E4系に荷物置場がないままですが、2021年には引退する見込みです。つまり、今回の措置により、JR東日本の新幹線は、近い将来、ほぼ全ての編成に荷物置場が設置されることになりそうです。

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ルール上は長さ2mの荷物までOK

新幹線に大きな荷物を持ち込みにくい、というのはかねて指摘されてきたことです。スーツケースやスキー・スノボ板、折りたたみ自転車、ベビーカーなどは、旅行者の荷物として珍しくありませんが、新幹線に持ち込むと置き場所に困ります。

車両最後尾のリクライニングシートの裏側が定番の置き場所ですが、十分な広さはありませんし、最後尾席の乗客の迷惑になることもあります。

新幹線に持ち込める荷物のサイズは、タテ・ヨコ・高さの合計が250cm、長さは2mまでと決められています。しかし、実際にこのサイズを持ち込むと置き場所に困るのが現状です。この状況を改善するという点で、JR東日本が荷物置き場を拡充するのは、当然の措置だと思います。

ビジネスマン向けに最適化されて

気になるのは、東海道新幹線です。東京~新大阪は外国人観光客が多い区間ですし、十分な荷物スペースを整備する必要があるはずですが、東海道新幹線を走る新幹線車両には、荷物棚以外の荷物置場がありません。

東海道新幹線は全車両の定員が1323席に統一されています。今回のJR東日本のように、客室の一部座席を取り払って荷物置き場に変更すると、定員数に変動が出てしまうので、JR東海としては消極的かもしれません。

東海道新幹線はビジネスマン向けに最適化されていますが、そうでない人は使いにくい側面もあります。とはいえ、日本を代表する鉄道路線ですし、全ての旅客が使いやすいような配慮がほしいところ。JR東海には、そろそろ定員数にこだわらない改善を願いたいところです。(鎌倉淳)

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