南海高野線と泉北線の2015年12月5日ダイヤ改正まとめ。泉北ライナー登場、泉北線区間急行も増発。中百舌鳥以南は減便

南海電気鉄道と泉北高速鉄道は、南海高野線・泉北線で実施するダイヤ改正の概要を発表しました。ダイヤ改正日は2015年12月5日です。難波~和泉中央間で特急「泉北ライナー」が運転開始されるのが目玉。そのほか、区間急行も増発されます。ダイヤ改正の内容をまとめてみました。

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「南海泉北線」として初の改正

泉北高速鉄道は中百舌鳥~和泉中央間を結ぶ14.3kmの路線を運営します。以前は大阪府などによる第三セクターの運営でしたが、2014年7月に南海電鉄が株式を取得。現在は南海電鉄の完全子会社になっています。

それにともない、泉北線は事実上「南海泉北線」となりました。今回のダイヤ改正は、泉北線が「南海泉北線」になってからの、初めての大規模なダイヤ改正です。

泉北ライナー

泉北ライナーが登場

12月5日のダイヤ改正の目玉は、新たに運転開始される特急「泉北ライナー」。平日に上り7本・下り6本、土休日に上り8本・下り8本が設定されます。運転時間帯は明記されていませんが、プレスリリースに「朝夕の快適な通勤や土休日のお買い物・レジャーにぜひご利用ください」とあることから、平日は朝夕中心に運転され、土休日は日中に運転されるとみられます。

車両は、南海高野線の特急「りんかん」に使われているもので、4両編成、定員248人です。難波~和泉中央間の運転で、途中停車駅は新今宮駅、天下茶屋駅、泉ヶ丘駅、栂・美木多駅、光明池駅。所要時間は最速29分です。

「泉北ライナー」の特急料金は大人510円・小児260円(全区間同額)。チケットは南海電鉄の「特急チケットレスサービス」を利用して購入することもできます。

泉北準急の一部を区急格上げ

また、難波~和泉中央間で運転されている準急の一部列車が、区間急行に格上げされます。区間急行の停車駅は難波、新今宮、天下茶屋、堺東、深井、泉ヶ丘、栂・美木多、光明池、和泉中央です。準急に比べ、和泉中央~難波間の所要時分が最大4分短縮されます。

区間急行は日中は毎時上下2本ずつの運転です。平日朝は和泉中央駅を6時54分~7時53分に発車する上り6本と、難波駅を7時37分~8時38分に発車する下り3本が運転されます。平日朝ラッシュ時間帯以外が毎時2本運転という発表ですので、夕方ラッシュ時にも運転されるようですが、一部時間帯には運転されません。

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高野線急行は毎時1本減

昼間時間帯の南海高野線・泉北線の運転本数も変更となります。難波~和泉中央間の運転本数は現行の毎時準急5本から区間急行2本・準急2本・各停2本に、難波~河内長野間の運転本数は現行の毎時急行(または区間急行)5本・各停5本から急行(または区間急行)4本・各停4本となります。

その他にも、難波発堺東行の最終列車の時刻を、現行の難波24時20分発から24時25分発に変更されます。地下鉄御堂筋線との接続を図るためです。

南海高野線

泉北ライナーは利用されるのか?

ざっと見ただけでも、かなり大規模な改正です。泉北ライナーに関しては、30分程度の距離に510円というのはやや高い気もしますが、ほぼ同距離の難波~河内長野などとも同じですから、他路線と価格を揃えたにすぎません。

ただ、30分の距離に510円を払う人がどれだけいるのかは、やや疑問。泉北ライナーがどの程度利用されるかは注目したいところです。

泉北線を優遇した改正

全体的には、泉北線を優遇したダイヤ改正に見えます。南海が泉北高速鉄道を子会社化したことで、泉北線利用者がメリットを感じられるよう意識したのかもしれません。あるいは、中百舌鳥から地下鉄御堂筋線へ逸走させない施策を強化したともいえます。

高野線の中百舌鳥以南では急行が減ります。毎時5本が4本になるということは、12分間隔が15分間隔になるのでしょう。この運転本数の数字を見る限り、今回の改正では高野線は泉北線より冷遇されたようにも見えます。もともとは高野線のほうが優遇されていますので、格差是正された、という表現になるのかもしれませんが。

泉北線の区間急行と高野線普通がどう接続するかにもよりますが、中百舌鳥以南の高野線利用者には減便ダイヤで、あまりいい改正には見えません。実際に利用されている方はどうお感じなのでしょうか。(鎌倉淳)

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