宮崎交通がヤマト運輸との「貨客混載」を開始。専用バスは「乗車口の目の前の座席」を4列撤去

宮崎交通とヤマト運輸は、路線バスで宅配荷物を運ぶ「貨客混載」を2015年10月1日に始めると発表しました。宮崎県西都市~西米良村を結ぶ路線バスで、1日3便運行します。

混載用の専用車両も3台投入されます。ヤマトによる「貨客混載便」は岩手県交通、岩手県北交通に次ぎ全国で3例目です。専用車両を使った本格的混載は岩手県北交通の「106急行」などで実施例がありますが、西日本では初めてです。

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車両中央の座席を撤去

新しい専用車両は岩手県北交通同様、「ヒトものバス」と題され、座席を減らして荷台スペースを確保しています。「106急行」では車両後方の座席を減らしていましたが、宮崎交通では車両中央の座席8席を撤去して、ヤマトの宅配用ボックス2個が入るスペースを作りました。バスの乗車口の真ん前の座りやすい位置の座席が4列分ないわけで、これはちょっと大胆です。

宮崎交通ひとものバス宮崎交通ひとものバス写真:ヤマト運輸

この「貨客混載バス」が運行されるのは、宮崎交通の西都-杉安峡-村所線です。この路線は1日4往復ありますが、このうち西都バスセンター15時30分発~村所バス停17時01分着の配達便1日1便と、村所バス停12時55分発/17時00分発~西都バスセンター14時26分着/18時31分着の集荷便1日2便が混載便となります。

上下計3便ではバランスが悪いので、「ヒトものバス」で運行しながらも貨物を乗せない「貨物回送便」も設定されるとみられます。

ヒトよりモノを運ぶバスの時代?

岩手県北バス106急行とヤマト運輸の『貨客混載』がスタート」の記事でも紹介しましたが、貨客混載は過去禁じられていたわけではなく、必要性が低かったから行われてこなかったに過ぎません。

人口減少により貨物輸送側では運転手不足、旅客側輸送側では乗客不足が起きており、今後は貨客混載の必要性はますます高まりそう。岩手、宮崎に次いで、導入する地方バス会社はまだ出てきそうです。

それにしても、座りやすい車両中央の座席をどさっと抜き取ってしまって問題ないというのであれば、よほど乗客が少ないのでは、と心配になってしまいます。ヒトよりもモノの輸送量のほうが多いバスになるのかもしれません。

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