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南大東島の「シュガートレイン」が復活へ。日本最南端の軽便鉄道に雨宮製「本物のSL」は走るのか?

沖縄県南大東島の「シュガートレイン」が復活しそうです。南大東村が2013年度予算で調査を開始しており、順調なら2015年度にも開業するとのことです。

南大東島は、沖縄本島の約400km東に浮かぶ島です。もともとは無人島でしたが、明治時代から開拓が開始され、主にサトウキビが栽培されてきました。「シュガートレイン」はそのサトウキビを運搬するための軽便鉄道で、最盛期には島じゅうに路線が張り巡らされ、その総延長は約30kmにも及びました。

初めて敷設されたのは1917年。全廃は1983年。軌間は762ミリ。「シュガートレイン」のほか、「さとうきび列車」などと呼ばれていたようです。廃線後すでに四半世紀が経ち、現在はほとんどの鉄道施設が撤去されていますが、島の中心部にある「ふるさと文化センター」という郷土施設には、雨宮製作所製の「2号」SLと日本車輌製の「8号」DL、それと客車や貨車が残されています。

シュガートレインSL
2号SL

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8号DL

このシュガートレインについて、南大東村では、「シュガートレイン夢復活実現事業」として予算計上し、復活運転へ向けての調査を開始しています。目的は観光客の誘致です。計画の具体的内容は検討中ですが、路線や車両数、発着点などが決まれば、2014年度にも着工し、2015年度にも完成する予定です。実現すれば、沖縄県で唯一、そして全国最南端の鉄道となります。

「離島に今さら鉄道を敷くのか!」と驚かれた方も多いと思われますが、そんな大がかりなものにはならないでしょう。具体的にどの程度の規模の路線を敷く計画かは、現時点でははっきりしませんが、建設期間が短いことなどから、おそらくは長野県の「赤沢自然休養林」の「赤沢森林鉄道」(1100m)くらいの規模になると思われます。つまり、遊園地の遊戯鉄道程度の規模で、それならば巨額の資金は必要ありません。

ただ、遊園地の遊具として運行するなら鉄道事業法に該当しませんので、正確には鉄道とはいえません。こうした遊戯鉄道としては、沖縄県では「ネオパークオキナワ」の「沖縄軽便鉄道」があります。この沖縄軽便鉄道も米軍基地所在市町村活性化整備事業という公的資金で建設されました。シュガートレインについても、交付金の名目は違えどネオパークの事例にならうのかもしれません。

あるいは、鉄道事業法の「特定目的鉄道事業」として整備する可能性もあります。特定目的鉄道事業とは、「景観の鑑賞、遊戯施設への移動その他の観光の目的を有する旅客の運送を専ら行うもの」と規定されていて、具体的には福岡県の「門司港レトロ観光線」があります。ただ、特定目的鉄道事業よりは遊園地の遊具のほうがハードルが低いので、遊戯鉄道として復活する可能性が高いと思われます。

いずれにしろ、注目は機関車です。ふるさと文化センターに保存されている雨宮製作所製の「2号」SLと日本車輌製の「8号」DLが復活運転すれば特筆すべき事例となります。雨宮製SLの保存運転をしている鉄道としては、北海道の「丸瀬布いこいの村」があります。丸瀬布は北海道の過疎地ながら、SLは観光の目玉になっています。

いっぽう、前述の赤沢森林鉄道は木曽森林鉄道を復活させたものですが、実際に動いているのは最近製造された復元機関車です。古い機関車も残されていますが、動態運転は限定的で、おもに展示用。保存車両を展示しながら、復元車両に乗車させるという手法で観光客を集めています。

いずれにしろ、復活した軽便鉄道が集客力を持つのは事実です。シュガートレインが復活すれば、観光客や旅行業者の南大東島への注目度は高くなるでしょう。

とはいえ、南大東島は遠い遠い島です。筆者も2年前に訪問しましたが、飛行機は予約が取りにくい上に運賃が高額。船は便数が極端に少ない上に時間がかかりすぎます。飛行機でも船でもそう簡単に行ける場所ではありません。

復元鉄道を運行している場所と比べるならば、丸瀬布よりもはるかに不便な立地です。これだけの遠隔地に観光客を呼び寄せるのが目的なら、本物のSLの復活運転をおこなって「保存鉄道」としてPRしたいところですし、そうでなければ閑古鳥がなくかもしれません。

雨宮製SLの復活運転が実現するか。それがシュガートレイン復活計画の、今後の注目点となるでしょう。

南大東島シュガートレイン―南の島の小さな鉄道

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