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格安航空会社LCCで、「火・水・木バーゲン」が頻発。「平日は客がいない」状態で、LCCのビジネスモデルは大丈夫?

格安航空会社LCCのバーゲンに、ちょっとした変化が起きています。それは、「火・水・木」限定のバーゲンばかりになってきた、ということです。

たとえば、2月7日に始まったエアアジア・ジャパンの中部空港就航記念運賃。名古屋にちなんで「758円」という破格の設定で中部-福岡、新千歳線でバーゲンを行いました。ところが、就航記念の大バーゲンだというのに、設定は火・水・木のみ。

エアアジアだけではありません。ジェットスターもピーチ航空も、最近はバーゲンを頻発していますが、その対象は「火・水・木」がメイン。週末でバーゲンが設定される場合もありますが、不便な早朝便がほとんどです。

航空会社のバーゲンは「チケットが売れていない日を対象とする」というのが基本。ですから、火・水・木しか設定されていないバーゲンが頻発されるということは、それだけ火・水・木のチケットが売れていないから、と推測できます。

エアアジア

格安航空会社LCCの利用者はレジャー客が多く、ビジネス客はあまり使いません。遅延や欠航が多いLCCはビジネスで使うには不安が残るためです。ただ、日本のサラリーマンは有給をあまり取れませんし、取れたとしても週に1日くらいなもの。有給取得は週末がらみの月・金に集中し、火・水・木の3日間は「休める人が少ない」→「LCCの利用者が少ない」という図式が浮かび上がります。

海外でもレジャー客は週末に集中しますが、休みを取って平日に旅行できる人は日本に比べると多いようで、LCCでもそれほど平日の利用客は減らないようです。言い換えれば、海外のビジネスモデルを取り入れたLCCにとって、日本人の「平日の休みの取れなささ」は計算外だったのかも知れません。

LCCが火・水・木対策で頭を悩ませていることは、運賃でも見て取れます。バーゲンを行っていない時期でも、火・水・木の運賃は、沖縄路線を除けば軒並み5000円前後です。これで空港の着陸料、燃料費、クルーや係員の人件費を賄えるとは思えません。そんな価格でも席が埋まらないのです。

それだけではありません。この4月ダイヤから、LCC各社はついには火・水・木の平日3日間の運行本数を減らし始めました。たとえば、ジェットスター・ジャパンでは、夏ダイヤの閑散期(期間B)において、成田ー新千歳線で6便のうち2便を火・水・木運休にしています。ピーチ航空の場合は、関西ー新千歳線で、火・水・木のみならず平日全部を運休し、週末のみ運航する便を設定しています。

平日に他の路線で増便するわけでもなく、余った機材は寝かしておくようです。格安航空会社LCCの低価格は機材を朝から晩まで目一杯飛ばす「有効活用」によって実現されるわけですから、昼間に機材を寝かすことは、ビジネスモデルの崩壊を意味します。

平日に休みの取りにくい社会の日本では、ほとんどのレジャー産業で、平日は閑散としています。となると、航空会社においても、平日の搭乗率を上げるには、レジャー客だけでは足らず、ビジネス客もある程度取り込む必要があるといえます。では、そのために必要な施策はなんでしょうか。

まずは定時性の向上。つまりビジネスでも使える信頼性です。そして欠航時の振替。ビジネスユースには、万一の時に代替手段が必要です。しかし、これらの施策を捨てて低価格を目指すのがLCCのビジネスモデルですから、これらを実施すればLCCは成り立たなくなるかもしれません。

日本では、スカイマークがこうした施策を採っています。そのスカイマークが、各路線で10,000円程度の運賃を設定していることも、LCCを圧迫している可能性があります。スカイマークの運賃水準がLCCの運賃の上限になってしまっていて、集客しやすい週末でも価格をあまり上げられない、という状況に陥っているようにも見えます。

欧州では、週末の料金が平日の3倍くらいするLCCの路線もあります。本来なら、日本のLCCも週末料金は15,000円くらい設定したいところでしょうが、スカイマークの存在があるためか、そこまでの値付けはあまりありません。とはいうものの、平日を破格値で提供し、週末も低価格を維持することは困難にも思われます。

2年目を迎えるLCC。採算度外視だった1年目のお祭りは終わり、いよいよ真価が問われる段階になりました。あくまでレジャー客をターゲットにして低価格を貫くか。ビジネス客にも狙いを広げ、品質を向上させ、価格を上げるか。日本のLCCは、ビジネスモデルの再構築の時期にさしかかっているのかもしれません。

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