2014年のLCCはこうなる! 新規路線と機材計画まとめ。バニラ、春秋日本の参入で競争激化へ

格安旅行には欠かせない存在となったLCC。2013年はエアアジア・ジャパンの撤退がありましたが、路線網や運行本数は全体として広がり続けています。この勢いは2014年も変わらないでしょう。

そこで、2014年の日本国内LCCがどうなるのか、未来像をまとめてみました。ピーチ、ジェットスターに加え、2013年12月にはバニラエアが登場、2014年5月には春秋航空日本が参入します。いわゆるLCCではありませんが、スカイマークも大きな動きを見せます。

航空会社別に2014年の動きをご紹介!

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ピーチ・アビエーション

関西空港を拠点に路線を展開するピーチ。国内線は、関西~新千歳、仙台、成田、福岡、長崎、鹿児島、那覇、石垣と、那覇~石垣線に就航。国際線は、関西~仁川、釜山、香港、台北と、那覇~台北線に就航しています。

2014年の新規路線としては、2路線が決定済み。1月18日に関西~高雄線、2月1日に関西~松山線の就航を予定しています。運用中機材は2013年12月現在でA320-200が11機。2014年には3月、6月、11月頃に1機ずつ機材が増える予定です。したがって、夏、秋、冬に増便または新路線が開設される可能性があります。新しい就航地がどこになるかは明らかでありませんが、関西~新潟、宮崎や、那覇~東南アジアの路線などが候補にあげられそうです。

ジェットスター・ジャパン

成田空港を拠点に路線を展開するジェットスター・ジャパン。国内線は成田~新千歳、関西、高松、松山、福岡、大分、鹿児島、那覇に就航。さらに、関西~新千歳、福岡、那覇及び中部~新千歳、福岡、鹿児島にも路線を開設しています。

2014年の新規路線は現時点で発表されていません。運用中機材は2013年12月末現在でA320-200が19機になるようです。さらに4機を発注していますが、すでに機材は余剰気味なので、この4機はグループ他社に回されるかもしれません。

ジェットスターの場合は、整備体制に弱点があります。整備体制が整えば、機材は十分あるので、新路線の展開もありそうです。懸案の関西拠点化が実現すれば、関西路線が充実するでしょう。下記の春秋航空日本に先手を打って、成田~広島線なども予想されます。

かつては国際線進出への意欲も見せていましたが、当面は国内線の充実に力を注ぐ様子です。

ジェットスター

バニラエア

エアアジア・ジャパンの後継会社がバニラエア。2013年12月20日からバニラエアとして初就航します。成田~那覇、成田~台北を最初に開設。年内はこの2路線のみです。

2014年の新規路線は成田~新千歳(2014年1月29日)、成田~仁川(2014年3月1日)の2つが決定済み。運用中機材は2013年12月現在A320-200が2機で、2014年1月に1機増備予定。3月までにさらに2機の全日空機材がバニラエアに回される予定です。それ以外に7機の機材が発注済みです。機材調達が順調なら、2014年夏から秋にも新規路線が開設されると思われますが、どこになるかはわかりません。「リゾート路線」「国際線」に力を入れる予定とのことなので、グアム、サイパン、香港などが有力視されます。

春秋航空日本

中国春秋航空の関連会社が春秋航空日本。ANA、JALの資本が入らないLCCとしては国内初です。このほど航空運送事業認可を取得し、2014年5月に初就航する予定です。

2014年5月に、成田~高松、広島、佐賀の3路線に就航する予定。それぞれ1日2往復程度になる見込みです。機材は737-800の3機。すでに1機がデリバリーされており、さらに2機が就航までに納入される予定です。最終的には20機程度の体制を目指しているようです。

スカイマーク

スカイマークはいわゆるLCCとは違いますが、LCCと大きく変わらない価格水準の航空会社です。2014年は大きな動きがあるので掲載しておきます。

スカイマークは、羽田、神戸を拠点に日本各地に路線を展開しています。就航地は羽田、成田、中部、神戸、福岡、新千歳、旭川、仙台、茨城、米子、長崎、熊本、鹿児島、那覇、宮古、石垣です。2013年12月20日に米子に進出、成田~米子、神戸~米子の2路線を新規開設します。

2014年はこの米子路線を充実させ、羽田~米子、新千歳~米子、那覇~米子も開設するようです。一方で、旭川、熊本からは2014年3月で撤退。神戸~石垣線も運休します。

スカイマーク

注目は機材。A330-300を2014年3月に2機導入し、羽田~福岡線で使用します。A330-300は全席プレミアムエコノミー仕様で、シートピッチ38インチのグリーン・シートを装備。運賃はやや上がるようですが、大手航空会社に比べれば低価格で広いシートを楽しめます。2014年中に計5機が導入される予定で、羽田~新千歳線にも投入される模様です。

A330-300の座席数は271席で、既存の737-800の177席から94席増えます。これによる供給増を受けて、羽田空港の枠を空け上記米子路線などに充てると思われます。一方、737-800は31機体制から、30機に減ります。

さらなる注目機材はA380-800。2014年夏から秋にかけて計2機投入され、2014年12月から成田~ニューヨーク線が開設される見込みです。こちらも全席プレミアムエコノミー・ビジネス仕様になる予定。大手航空会社に比べて低価格で広いシートの長距離移動を楽しめるようになりそうです。

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