阪急神戸三宮駅ビルが29階建ての高層タワーに。駅ホームは高架のままで、地下鉄直通計画はどうなる?

阪急電鉄が、神戸三宮駅の駅ビル「神戸阪急ビル東館」の建て替え計画を発表しました。商業施設、ホテル、オフィスなどが入った高さ120mの高層ビルを建設します。完成は2021年の予定です。

1995年に被災したビルが26年ぶりに本格復旧することになりますが、駅ホームの位置は現在のまま。地下化計画もありますが、当分は高架駅のまま運用するようです。

広告

旧ビルの面影を残す

新しいビルは、地下3階地上29階建て、延べ床面積が約2万8500平米で、現ビルの5倍以上です。地下2階から地上3階が商業施設、4階から15階がオフィス、17階から28階にビジネスホテル「remm」が入り、最上階の29階には展望室やレストランが置かれます。

商業施設は約5,300平米あり、現在の約3,000平米に比べると1.7倍に増えます。食品スーパーなどが入居するようです。

それにしても、細長いビルです。建物部分の敷地面積は、おそらく1000平米程度でしょう。そこにこれだけの高さのビルを建てるのですから、相当な「ペンシルタワー」になりそうです。

阪急三宮駅ビル

現在の神戸阪急ビル東館は、1995年の阪神大震災で被災した後、仮設として建てられたものです。現ビルの前身は1936年に完成。この「旧ビル」には、震災前まで阪急百貨店や映画館などが入っていました。

旧ビルの特徴は、大きなアーチ状の窓と円筒形の立面。新ビルでは、これらのイメージを継承するデザインで、旧ビルの面影を残します。神戸市民には懐かしい姿が蘇るでしょう。

阪急三宮駅ビル

王子公園~神戸三宮は地下化

さて、阪急阪神ホールディングスの角和夫社長は、2014年5月21の記者会見で、この新ビルの建設計画を明らかにしました。同時に、阪急神戸線の王子公園~神戸三宮間を地下化する考えも表明しています。

仮に王子公園~神戸三宮間が地下化されれば、現在の神戸三宮駅のホーム空間をビル用地に転用できます。しかし、今回の計画図を見ると、駅は高架のままで、新ビルは高架駅に隣接する形で建設されるようです。

新ビルは駅の地下化を見据えた設計になっているとみられますが、今回の発表ではその詳細は不明です。

阪急三宮駅ビル地図

地下鉄直通方針には変化なし?

阪急は、神戸三宮駅の地下化とともに、神戸市営地下鉄西神・山手線との相互乗り入れも目指しています。

新ビルが地下化を見据えた構造になっているのならば、地下鉄直通方針も変わらないままでしょう。新ビルは地下階で地下鉄三宮駅に直結する構造で、仮に、地下鉄駅に阪急駅が統合されても、新ビルは駅ビルとして機能しそうです。

ただ、実際に直通をするとなると難題山積で、実現はなかなか見通せません。それについては「阪急神戸線と神戸市営地下鉄の直通の実現性は?」記事をご覧ください。(鎌倉淳)

広告
前の記事羽田空港の日米路線発着枠は「ANA4、JAL2」で決着へ。アメリカ側は4社が9路線を申請
次の記事大崎駅~成田空港に片道1000円の格安バスが登場。ウィラーが2016年10月運行開始、所要時間は75分