京王電鉄2013年ダイヤ改正のプレスリリースを読み解く。相模原線に特急が、京王線に区間急行が登場。準特急の「北野化け」解消

京王線が調布駅の地下化工事を完成させ、いよいよダイヤ改正を実施します。改正日は2013年2月22日と発表されました。

発表されたプレスリリースによると、改正の目玉は相模原線に新宿―橋本間の直通特急が登場すること。また、京王線で新宿に向かう平日早朝の特急の増発もPRされています。特急の新設など大がかりなダイヤ改正は2001年以来、12年ぶりとのことです。

京王線は2012年8月のダイヤ改正で特急の運転がなくなり準特急が最速列車となっていました。それが2013年2月のダイヤ改正で特急が復活するわけです。橋本方面だけでなく、八王子方面にも特急が復活。京王線の特急の停車駅は増やされ、北野と分倍河原が特急停車駅にくわわります。つまり、特急復活といっても、調布以西はこれまでの準特急を特急と呼称変更したものと解釈できます。

相模原線では、これまでは特急がなく、急行が新宿まで直通運転していました。そのためダイヤ構成上、新宿まで急ぐ乗客は途中の調布駅で接続する特急に乗り換えていました。それが、今回のダイヤ改正で相模原線に特急が登場するわけですが、これも12年ぶりの復活です。停車駅は、橋本・南大沢・京王多摩センター・京王永山・京王稲田堤・調布・明大前・新宿です。朝(平日9:00頃・土休日7:00頃)~22:00頃まで、20分間隔でほぼ終日運転されます。

準特急の京王八王子行きは廃止。準特急は高尾線系統のみとなり、高尾線内は各駅停車になります。これまでの「北野化け準特急」が、準特急の正式な停車駅になるわけです。

これまでのダイヤパターンを踏襲するのなら、今後は、日中は20分間隔で「八王子特急」「高尾山口特急」が運転されることになります。ただ、それに「橋本特急」が20分間隔で加われば、新宿ー調布間は20分に3本の特急が運転されるわけで、やや供給過剰感があります。

京王電鉄のひみつ

気になるのは、今回のダイヤ改正で「区間急行」が登場し、通勤時間帯以外も運転されるというリリースの一文です。区間急行は従来の通勤快速と停車駅が同じ。すなわち東府中以西が各駅停車の急行列車です。これが日中に運転されるわけですが、その上に、「八王子特急」と「高尾山口特急」が運転されるのならば、調布以西の優等列車が増えすぎです。

そう考えると、これまでの「高尾山口準特急」が「高尾山口区間急行」に置き換えられるのかもしれません。そうなれば、調布-新宿間の特急は橋本系統と八王子系統で10分間隔が維持されます。

すなわち、こういうことです。

・八王子準特急→八王子特急
・高尾山口準特急→高尾山口区間急行
・橋本急行→橋本特急
・橋本快速→橋本快速

プレスリリースには「上り各停の飛田給での通過待ちが減少」とも書かれていますが、これも調布以西の特急が減少するということならば、辻褄があいます。

もし上記のような変更なら、高尾線と京王八王子の速達サービスがかなり悪化します。ただ、分倍河原-北野間の優等通過駅にとっては区間急行の運行で利便性が向上するという側面もあります。

現在発表されているプレスリリースでは情報が断片的なので、詳細はわかりません。上記の推測もあたっているかどうか。もう少し詳細情報を出してほしいところですね。

その他、ダイヤ改正の要点は以下の通りです。
・平日早朝(新宿到着7:30まで)の上り「特急」を新設。このうち、相模原線は、「特急」 2本を新設。京王線は、現行「準特急」4本のうち3本を「特急」、1本を「準特急」 として運転。
・新宿から京王線下り方面への終電時刻を繰り下げ
・深夜0時台まで「特急」を運転
・井の頭線で平日早朝(渋谷到着7:30まで)の上り「急行」を2本新設。
・井の頭線で、平日昼間(10:30頃∼17:00頃)の列車を増発。1時間あたりの運転本数は、急行、各停が各8本、計1時間あたり16本に。
・渋谷から井の頭線下り方面への終電時刻を繰り下げ
・井の頭線でも深夜0時台まで「急行」を運転

広告
前の記事「日本一長い普通列車」が観光資源に? 根室本線・滝川-釧路間の完乗証明書が人気で配布を延長。
次の記事秋田新幹線のE6系列車は「スーパーこまち」に決定。東京-秋田間5分短縮で500円値上げ。普通車にコンセント付きは嬉しい。