京阪大津線が4駅名を変更し利用促進。ダイヤ改正は減便

観光客増を目指し、人口減少に対応する

京阪電気鉄道は2018年3月17日に大津線(京津線・石山坂本線)のダイヤ改正を実施し、同時に4駅の駅名を変更すると発表しました。観光客などにわかりやすい駅名にすることなどが目的です。

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浜大津などを変更

駅名が変更されるのは、浜大津、別所、皇子山、坂本の4駅です。

浜大津→びわ湖浜大津
別所→大津市役所前
皇子山→京阪大津京
坂本→坂本比叡山口

京阪大津線駅名変更
画像:京阪電鉄プレスリリース

「びわ湖浜大津」は、びわ湖や大津観光の玄関口であることを表現し、観光客誘致を目指すため。「大津市役所前」は、立地をわかりやすく表現することにより電車利用の促進を図るためだそうです。

「京阪大津京」はJR湖西線大津京駅との乗換利用の促進を図るため。「坂本比叡山口」は、比叡山観光の拠点でもあることから、京都側の「八瀬比叡山口」(叡山電鉄)の駅名と対応させ、坂本側からの観光客誘致を目指すためです。

要するに、今回の駅名変更には、立地をわかりやすくすることによる利便性向上と、利用者増を狙う目的があるわけです。

「坂本」や「皇子山」という、歴史あるシンプルな名称が変わってしまうことに一抹の寂しさはありますが、確かに新駅名のほうが、ふだん大津線を使ってない利用者の掘り起こしになりそうです。

京阪大津線地図
画像:京阪電鉄プレスリリース

昼間は減便、終電は繰り上げ

駅名をわかりやすくして利用者増を狙う一方で、列車本数は減るようです。京阪大津線の3月17日ダイヤ改正のポイントは、日中時間帯の減便です。

京都市営地下鉄東西線と相互乗り入れしている京津線は、現在、「浜大津~太秦天神川」と「浜大津~京都市役所前」が30分間隔の交互運転で15分間隔ですが、ダイヤ改正後は、「浜大津~太秦天神川」に統一し、20分間隔とします。

石山坂本線では、これまで「石山寺~近江神宮前」と「石山寺~坂本」が7.5分間隔の交互運転で15分間隔でしたが、ダイヤ改正後は「石山寺~坂本比叡山口」に統一し、10分間隔とします。

つまり、「浜大津~太秦天神川」「石山寺~坂本比叡山」の運転本数は増えますが、「浜大津~京都市役所前」や「石山寺~近江神宮前」では減便になります。

また、京津線、石山坂本線ともに最終列車の発車時刻を35分~40分程度繰り上げます。

駅名変更で利用者増を狙いながらも、減量ダイヤを実施するわけです。観光客の誘致をはかりながら、人口減少に対応しなければならない、現在の日本の私鉄の縮図のようなダイヤ改正といえそうです。(鎌倉淳)

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