JR北海道が2016年3月ダイヤ改正の普通列車時刻表を発表。「函館~札幌間」は1日2.5往復で、青春18きっぷでの移動が困難に

JR北海道が2016年3月26日ダイヤ改正後の、ローカル区間の普通列車の時刻表を公表しました。すでに予告していたとおりの大幅減便となる内容です。

幹線区間でも利用状況の悪い列車は廃止されるため、青春18きっぷや北海道&東日本パスでの移動も、これまでより難しくなります。函館~札幌を乗り通す場合の有効本数は、1日2.5往復に限られます。

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11区間が5往復以下に

JR北海道が発表した2016年3月26日ダイヤ改正後の普通列車の削減は広範囲にわたります。なかでも列車本数が少なくなる区間は、以下の通りです。1日5往復以下の路線をピックアップしてみました。11区間あります。

・函館本線 長万部~蘭越間 4.5往復
・室蘭本線 長万部~豊浦間 4.5往復
・石勝線 新夕張~夕張間 5往復
・宗谷線 名寄~音威子府間 4.5往復
・宗谷線 音威子府~幌延間 3往復
・宗谷線 幌延~稚内間 3.5往復
・札沼線 浦臼~新十津川間 1往復
・釧網線 川湯温泉~緑間 5往復
・石北線 上川~白滝間 2往復
・石北線 白滝~遠軽間 3往復
・石北線 生田原~留辺蘂間 5往復

全ての区間が減便で使いにくくなるわけではなく、使いやすくなる路線もあります。たとえば、釧網線は全線直通の定期列車が1日5往復となり、これまでより1往復増えています。ただ、こうした区間は例外で、ほとんどのローカル区間で列車本数が減り、長距離の鉄道旅行をする場合に影響が出そうです。

JR北海道札幌駅

函館~札幌間の同日移動ダイヤは?

なかでも旅行者への影響が強く出そうなのが、函館~札幌間の移動です。長万部発着の普通列車が大幅に削減されたたため、この区間を普通列車で直通移動するのが難しくなりました。新ダイヤでの、函館~札幌間を同日移動できるパターンは以下のみになります。

■函館0818→新函館北斗0844→1120長万部1316→1450倶知安1512→1626小樽(1634→1706札幌)
■函館1053→新函館北斗1119→1218森1344→1459長万部1640→1950小樽(1956→2041札幌)
■函館1053→新函館北斗1119→1218森1344→1459長万部1526→1656東室蘭1659→1809苫小牧(1820→1928札幌)
■函館1431→新函館北斗1456→1752長万部2000→2250小樽(2300→2354札幌)

■(札幌1014→1046)小樽1058→1210倶知安1242→1419長万部1614→1850新函館北斗→1915函館
■(札幌1045→1159)苫小牧1229→1350東室蘭1355→1532長万部1614→1850新函館北斗→1915函館
■(札幌1302→1426)苫小牧1449→1556東室蘭1617→1756長万部1812→2054新函館北斗→2119函館

※札幌券圏の新ダイヤは未発表なので、現在のダイヤを( )内で表示しました。

ご覧の通り、函館発は8時18分、10時53分、14時31分の3列車だけが、札幌まで同日着できます。函館着は、18時50分、20時54分の2列車だけが、札幌から同日着できます。これらの上下あわせた5列車は、青春18きっぷと北海道&東日本パスの利用者で混雑することが予想されます。

青春18で青森→札幌の同日移動は可能

青春18きっぷでは、オプション券を別途購入すれば北海道新幹線に乗れる特例が設定されました。新幹線に乗れるのは奥津軽いまべつ~木古内間だけで、木古内~五稜郭は道南いさりび鉄道での通過になります。

現時点では、津軽線のダイヤが発表されていないので、青春18きっぷで青森からどう接続するかはわかりません。ただし、北海道新幹線と道南いさりび鉄道のダイヤは発表されていますので見てみると、奥津軽いまべつ10時08分発木古内10時45分着の「はやぶさ1号」に乗れば、道南いさりび鉄道に乗り継いで13時34分に函館に到着し、函館発14時31分の普通に間に合います。そのため、青森→札幌を青春18きっぷでの同日着は可能になるとみられます。

上りでは、19時15分に函館に着いた場合、道南いさりび鉄道で木古内に20時42分に到着します。木古内20時52分発の「はやて98号」に間に合いますので、21時30分に奥津軽いまべつに到着できます。現在の津軽線のダイヤでは接続する列車はありませんが、新ダイヤで接続列車ができれば、青森まで同日着ができます。でも、そんな接続列車、できない気がします。そのため、札幌→青森を青春18きっぷで同日着は不可能になりそうです。

こうしてみると、今後も青春18きっぷで「函館~札幌」を移動するのは可能ですが、本州との接続という視点も加えると、やや困難です。せっかくの新幹線オプション券も、道内路線の接続が限られるのでは、使いにくいと言わざるをえません。東京から札幌へは青森1泊でつながりそうですが、青函間は深夜フェリーを使った方が効率的になりそうです。

北海道への鈍行旅は、北東パスが便利に

北海道&東日本パスの場合は、別途特急券を購入すれば、新青森~新函館北斗間で北海道新幹線に乗車できます。そのため、2.5往復すべての列車において、新青森から/まで接続します。

予想されていたことですが、2016年3月以降に北海道を普通列車で旅をするには、北海道&東日本パスのほうが使い勝手はよさそうです。(鎌倉淳)

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