全室禁煙ホテル広まる。JR西日本の新ブランド「ホテルヴィスキオ」も

静かに拡大中

JR西日本が宿泊特化型ホテルを新展開します。ブランド名は「ホテルヴィスキオ」。2018年6月に大阪駅北口と尼崎でオープンします。快適性の向上を謳った新ホテルブランドは「全室禁煙」となりました。

広告

うめきたエリアに新設

JR西日本グループのジェイアール西日本ホテル開発は、新たなホテルブランド「ヴィスキオ」の第1号店となる「ホテルヴィスキオ大阪by GRANVIA(グランヴィア)」を、大阪駅北のうめきたエリアに、2018年6月6日に開業すると発表しました。

また系列の尼崎ホテル開発が運営するJR尼崎駅隣接の「ホテル ホップイン アミング」についても、同日に「ホテルヴィスキオ尼崎 by GRANVIA」にリブランドすることも明らかにしました。

これらのホテルは、どちらも全室禁煙とし、喫煙ブースを設けます。「尼崎」については、現在は喫煙可の部屋もありますが、リブランドした際にリノベーションを実施し、「快適性の向上」として全室禁煙に踏み切ることを明らかにしています。

ホテルヴィスキオ大阪
画像:JR西日本プレスリリース

訪日客を意識

「ホテルヴィスキオ」は、JR西日本グループが新たに展開する宿泊主体型のホテルブランドです。

日本人ビジネスマンと訪日外国人客を主なターゲットとし、「大阪」では、客室の約80%を2名以上で利用できるダブル、ツインタイプとしているのが特徴です。高速Wi-Fiも完備し、長期滞在者向けにランドリー設備を用意。ムスリム対応もするということです。

全室禁煙は、そうした訪日客を含めた意識した対応ともみられますが、最近は日本人の喫煙率も低くなっています。「大阪」の客室数は400室ですが、それだけの規模でも、全室禁煙で十分な客室稼働率を得られると判断したのでしょう。

というか、最近は多くのホテルは禁煙室のほうが稼働率が高いそうなので、全室禁煙にしたほうが有利という考えなのかもしれません。

他チェーンでも全室禁煙化

「ヴィスキオ」が特別というわけでもなく、ホテルの禁煙化は全国的な流れです。たとえば、「コンフォートホテル」を運営するチョイスホテルズインターナショナルでは、2016年7月までに米国内のコンフォートブランド全1,700以上のホテルにおいて全館禁煙とし、日本国内でも一部施設で全室禁煙を実施しています。

その他のホテルチェーンでも、アパホテルやドーミーインなどで、全室禁煙のホテルが増えはじめています。チェーンホテル以外でも、昨年ごろから全室禁煙の宿泊施設が各地で急に増えてきた印象があります。

この流れが続くのは間違いなく、そう遠くない将来に「部屋で喫煙できるホテル」のほうが珍しくなる、という時代がくるのかもしれません。(鎌倉淳)

広告
前の記事JR四国が新型気動車2600系の量産を断念。空気バネ式に課題
次の記事長崎新幹線でフル規格とミニ方式を調査。整備手法を再検討へ