ANAが羽田~小松・富山便を3割減便へ。北陸新幹線との競争に勝てず。JALは現状維持

ANAが羽田~小松便と羽田~富山便を、それぞれ3割強削減することがわかりました。各6往復を、2016年3月下旬から始まる夏ダイヤで各4往復に削減します。JALは当面現状維持のようです。

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機材小型化でも対応しきれきず

ANA、JALの羽田~小松・富山便は、2015年3月の北陸新幹線開業によって旅客数が減少。両社はボーイング767や777だった機材を737に変更するなど小型化し、需要減に対応してきました。

最近の航空輸送輸送統計速報(月別)を見ると、羽田~小松線はおおむね前年比6割程度の旅客量に落ち込んでいて、富山路線も同様のようです。機材を767などから737に変更したことで座席数は2割強減っていますが、旅客の落ち込みはそれを上回り、減便対応せざるを得ないと判断したようです。

JAL,ANA

北陸3空港では2割減

ANAは現在、羽田発着の小松線と富山線をそれぞれ1日6往復運航しています。JALは富山線はなく、小松線が1日6往復です。日本経済新聞2016年1月15日付によりますと、このうち、ANAは2016年3月27日に始まる夏ダイヤから両路線とも1日4往復とし、3割ほど便数を減らします。減便で浮いた羽田の発着枠は、他路線に転用するとみられます。

北陸地方には、ほかに能登空港があります。羽田~能登線は北陸新幹線開業後も影響をほとんど受けておらず、今後も1日2往復を維持する模様です。この結果、北陸3空港をあわせたANAとJALの羽田発着路線は合計1日20往復から16往復に2割減ることになります。

新幹線2時間台では航空は苦戦

北陸新幹線は開業以来人気で、北陸への観光ブームも起きています。東京~北陸間を移動する旅客は激増したはずですが、その恩恵を航空会社が受けることはできなかったようです。

東京~富山・金沢は新幹線で所要時間2時間台で結ばれており、この時間距離では航空会社が苦戦することが改めて証明された形です。利用者の目からみると、737はあまり快適な機材とはいえず、快適性でも新幹線に勝てなかったのではないか、と思います。

2022年には、北陸新幹線は敦賀への延伸を控えています。敦賀延伸後は、小松や福井エリアでも小松空港の利用者は減少するとみられ、小松空港は今後もさらなる減便が行われる可能性が高そうです。

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