東京~函館の所要時間を北海道新幹線と飛行機の実際ダイヤで比較してみた。全体的に飛行機が有利だけれど、下り終発なら新幹線が便利

北海道新幹線の時刻表が明らかになりました。東京~新函館北斗間の最速列車が4時間2分、平均所要時間は4時間19分です。さらに新函館北斗~函館間はアクセス列車に乗る必要があり、その所要時間が最短15分。したがって、東京駅~函館駅は最短で4時間17分(乗り換え時間含まず)になる計算です。

飛行機との競争が話題になりますが、実際のダイヤで、東京都内と函館市内を移動する場合、新幹線と飛行機でどのくらい違うのでしょうか。比較してみました。なお、飛行機は現時点のダイヤです。

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東京駅~函館駅間で比べてみた

所要時間を比べる場合、どこを発着点とするかで数字が異なってきますが、今回は、東京駅~函館駅間で比較してみます。

ただし、新函館北斗~函館間のアクセス列車「はこだてライナー」については、現時点ではダイヤがわかりません。ここでは、便宜的に、新幹線の新函館北斗到着時刻の25分後を函館駅到着としています。上りの場合も同様です。

H7系写真:JR北海道

東京→函館

まずは、東京→函館の下りについて見てみましょう。東京駅~函館駅間の出発・到着時刻で比較します。まずは始発列車から。

■下り始発
JR 東京06:32発→新函館北斗10:58着→函館11:23頃着
ADO 東京05:42発→羽田空港06:50発→函館空港08:10着→函館駅08:50着
JAL 東京06:48発→羽田空港07:50発→函館空港09:10着→函館駅09:45着

東京を早朝に出発して、とにかく早く函館に着きたい、という場合は飛行機有利です。函館市内に午前9時前に着けてしまうので、新幹線の付けいる隙はなさそう。東京駅を新幹線とほぼ同時刻に出発するJAL便と比較しても、飛行機なら10時前に着けてしまうのに、新幹線だとお昼前です。

■下り終発
JR 東京19:20発→新函館北斗23:33着→函館23:58頃着
JAL 東京16:29発→羽田空港17:30発→函館空港18:50着→函館駅19:15着

終発に関しては、新幹線が19時台まであるのに対し、飛行機は羽田発17時台が最終です。函館空港で機材のナイトステイが行われていないので、飛行機はこうしたダイヤになるのでしょう。

その結果、東京駅からの比較では3時間近くも新幹線のほうが遅く出発できます。これまでは「夜、仕事が終わってから函館に行く」ということが不可能だったわけですが、今後は可能になります。新幹線開業の最大の福音といえるかもしれません。

函館→東京

つぎに、函館→東京の上りについて見てみます。函館駅~東京駅間の出発・到着時刻で比較します。

■上り始発
JR 函館06:10頃発→新函館北斗06:35発→東京11:04着
ADO 函館駅07:45発→函館空港08:55発→羽田空港10:25着→東京駅11:19着

始発で函館を出る設定では、新幹線でも飛行機でも、東京駅の到着時刻に大きな差はありません。ただ、飛行機のほうが1時間半ほど遅く函館を出発できます。

■上り終発
JR 函館18:11頃発→新函館北斗18:36発→東京23:04着
ANA 函館駅18:10発→函館空港19:20発→羽田空港20:50着→東京駅21:50着

終発については、函館の出発時刻は新幹線も飛行機もほぼ同じです。東京駅への到着時刻は、1時間あまり飛行機のほうが早いです。なお、飛行機の最終便はJALのほうが遅い便がありますが、函館駅出発は同じバスなので、到着が早いANA便を掲載しています。

案外勝負になる?

上記は、東京駅~函館駅という、JR新幹線にやや有利な場所設定での比較です。設定を新宿駅~五稜郭公園前などとしたり、函館でレンタカーを借りるなどの設定にしたら、また違った結果が出るでしょう。

そうした前提の上ですが、おおざっぱに見て、新幹線と飛行機の総所要時間の差は1時間~1時間半程度です。これを大きな差とみるか、小さな差とみるかは、人によるでしょう。4時間以上も同じ列車に乗り続けるのはイヤという人もいるでしょうし、飛行機は面倒だし、新函館北斗でレンタカー借りるなら、少し遅くても新幹線でいいや、と思う人もいるでしょう。

下り始発の場合、飛行機なら頑張れば9時前に函館市内に着けるので、新幹線は太刀打ちできません。一方、飛行機は下り終発が早すぎるので、19時台に東京を出ても当日着ができる新幹線は便利そう。

全体的には、所要時間で新幹線がやや苦戦するのは間違いありません。ただ、空港から遠いエリアの発着の人も多いでしょうし、案外勝負になるのでは、という気もします。あとは料金面での工夫を期待したいところです。(鎌倉淳)

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