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JR東日本・JR北海道「電気式気動車」で鉄道旅行はどう変わるか。キハ40置き換えで、車内は快適に?

JR東日本とJR北海道が電気式気動車を2018年から投入すると発表しました。両社の電気式気動車は実質的に同系列で、国鉄型気動車キハ40を置き換えていきます。

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2018年度に試作車投入

JR東日本は、新潟・秋田地区の普通列車用の車両として、電気式気動車GV-E400系を製造することを明らかにしました。量産先行車として2両編成を1つ、1両編成を1つの2編成3両を、2018年初めに新造します。

その後、量産車とあわせて計63両を新造して、キハ40と置き換えていきます。量産車は新潟地区に2019年度、秋田地区に2020年度に投入される予定です。

GR-E400系

GR-E400系 画像:JR東日本ニュースリリース

JR北海道も、JR東日本のGV-E400系をベースにした電気式気動車H100形を投入します。基本仕様はGV-E400系と同じで、極寒対策などを施した車両です。

2018年2月に試作車が完成し、2019年度以降に量産化を図ります。投入エリアは明らかにされていませんが、全道に広く投入されていくとみられます。

H100系

H100形。画像:JR北海道ニュースリリース

座席数は4分の1減

ということで、今後、東北・北海道の非電化区間で主役になりそうなのが、この電気式気動車GV-E400/H100系列です。ディーゼルエンジンと発電機で作られた電力によりモーターで走行する仕組みで、最高速度は100km/hです。ハイブリッド式と異なり、蓄電器を搭載していないため仕組みはシンプルで、メンテナンス性にも優れているそうです。

旅行者に関わりの深い車内設備を見てみると、1両編成の定員99人は両社共通です。H100形では座席数36となっており、キハ40の48席から12席も減ることになります。GV-E400系の座席数は未発表ですが、H100形と定員が同じなので、座席数も同じである可能性が高そうです。

H100形は座席配置も明らかになっており、車両中央に横1人掛けと横2人掛けのクロスシートが各3区画あります。そのほかはロングシートです。クロスシートが減ってロングシートが増えるのは、近年の全国の鉄道車両共通の傾向です。

H100系車内レイアウト

H100形車内レイアウト。画像:JR北海道ニュースリリース

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クロスシートとロングシートが同数

ローカル線に乗ってみると、クロスシートは1ボックスに1人でも座っていると、2人目3人目が座りにく雰囲気があります。そのため、仕様上の座席数がフル活用されていることはあまりありません。

一方、ロングシートは詰めて座る習慣があるからか、ローカル線でも座席の活用率が高い傾向があるように見受けられます。こうしたことが、最近の鉄道車両でロングシートが増えている理由でしょう。

とはいえ、旅行者がグループで利用するにはクロスシートのほうが使いやすいですし、快適性もクロスシートのほうが上でしょう。両者のバランスは大切で、H100形ではロングシート18席、クロスシート18席と全く同数にしてあります。

寒冷地を走る列車ですが、デッキはありません。片側2扉で、ドアは半自動機能付きです。車いすスペースが確保されていて、ラッシュ時には立ち客の収容にも貢献するでしょう。クロスシートは1列と2列なので、車両中央の立ち客スペースも広くなっています。

床面高さは115cmと、キハ40より9cm低く、ホームとの段差が少なくなっています。キャリーケースの旅行者も乗り降りしやすそうです。

H100系車内

H100形車内。画像:JR北海道ニュースリリース

「進行方向の窓ぎわに座りたい人」は?

GV-E400/H100系列は、全般的に通勤・通学需要を第一義としつつも、旅行者の長距離移動にも対応した作りになっていると思います。キハ40に比べてクロスシートは減りますので、「進行方向で窓ぎわに座りたい」という人は、始発駅で早めに並ぶなどの方策が、より重要になりそう。

シートの座り心地などは改善されているでしょうし、冷房装置も付いていますので、座ってしまえば車内の快適性は高そうです。青春18きっぷを利用した鉄道旅行はラクになるかもしれません。モーター駆動なので、揺れや乗り心地も改善されそうです。

ただ、座席に座れる確率は減りますし、ボックスシートでのんびりしたいという人は、「キハ40のほうがよかった」と考える旅行者も多そうです。混雑時に乗る場合は、立ちスペースが広いので、キハ40よりは快適だとは思いますが。

また、主観的な話ですが、旅の情緒という点では、キハ40に軍配が上がりそうな気もします。画像を見る限り、GV-E400/H100系列は「どこにでもよくある車両」的な香りがして、ローカル線の旅を盛り上げる装置としては、キハ40に及ばない気もします。時間が経てば、慣れていくものだとは思いますが。(鎌倉淳)

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