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「現代の稚泊航路」日ロフェリー・サハリン航路が廃止危機。ハートランドフェリーが赤字で撤退を検討中

稚内とサハリンのコルサコフを結ぶサハリン航路が、廃止の危機に瀕しています。運営するハートランドフェリーが、赤字を理由に2015年度を最後に撤退を検討しているためです。

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週2便程度の設定

サハリン航路は「日ロフェリー」とも呼ばれ、北海道とロシアを結ぶ唯一の定期航路です。この区間は、南樺太を日本が統治していた時代には「稚泊航路」と呼ばれた鉄道連絡船が就航していましたが、戦後途絶。ソ連崩壊後の1995年にロシアの船会社による運航で再開しました。1999年からは東日本海フェリーの運営となり、日本船籍の「アインス宗谷号」が就航。東日本海フェリーがハートランドフェリーと名を変えてからも運航は継続され、最近は、6月から9月の4ヶ月間に週2便程度設定されています。

ただ、近年の収支は芳しくないようで、2010年にハートランドフェリーが撤退を示唆。稚内市が2011年度から5年間、同航路に最大年5,000万円を補助することを決定し、運航が継続されました。1,000万円の補助金に加え、4,000万円を上限に前年の赤字の3分の2を助成するという仕組みです。それ以前も稚内市が年3,500万円の定額補助を行って維持されてきたのですが、2011年度からそれが実質5,000万円に拡充され、残りの赤字を船会社が負担しているという状況です。

サハリン航路

補助金が拡大されれば存続か

この補助制度が2015年で終了した場合、ハートランドフェリーは運航を継続できないとして、撤退を検討しています。それが今回の廃止危機の真相のようです。したがって、稚内市が新たな補助制度を設定すれば存続する可能性は高いのですが、旅客に加えて貨物の伸び悩みが深刻らしく、予断は許しません。ハートランドフェリーは利尻・礼文・奥尻などの離島航路でも苦戦しており、赤字負担前提の補助制度では、運航継続が難しいのかもしれません。そのため、存続には補助金の拡大が必要になる可能性もあります。

筆者は10年ほど前に、稚内まで各駅停車でやってきて、1泊してサハリン航路に乗り継いだことがあります。戦前の樺太旅行を彷彿とさせる旅で楽しかったのですが、稚内から船で5時間渡ったら、いきなりヨーロッパ的な街並みが現れたので腰を抜かしました。海峡一つ隔てて、極東と欧州が接するこの航路は、そういう点でも興味深いものです。

ユジノサハリンスク

あまり知られていませんが、ハートランドフェリーを使って2人以上でサハリンを往復する場合、72時間以内の滞在ならロシアのビザは免除されます。多くの方が抱いているイメージより、サハリンには手軽に行けますので、まだ訪れたことのない方は、「現代の稚泊航路」を利用して足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。日本時代の遺構は最近どんどん取り壊されているようですが、いまならまだ残っています。

 地球の歩き方 シベリア鉄道とサハリン

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