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広島市のアストラムラインが西広島までの延伸決定。国内最急勾配6.5%の新交通システム路線が誕生。

広島市の新交通「アストラムライン」が延伸されることになりました。広島市の松井一実市長が発表しました。現在の終点の広域公園前駅とJR西広島駅をつなぎます。新規開業区間では6.5%(65パーミル)の勾配を含み、国内最急勾配の新交通システムとなります。

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単線構造の急勾配路線

アストラムラインは1994年に本通~広域公園前間の18.4kmが開業。今回の延伸区間は広域公園前~西広島の7.1kmです。この延伸は以前から想定されていたもので、1999年の広島市の「新たな公共交通体系づくりの基本計画」で、「新交通西風新都線」として計画が示されていました。当時の計画では2010年代なかば、つまり今頃には開業している予定でしたが、財政難から先送りとなっていたものです。

広島市道路交通局の資料「アストラムライン延伸の事業化について」によりますと、延伸決定された「西風新都線」のルートは五月が丘団地、石内東開発地を経由し、己斐中央線の全線を通り、西広島駅に接続する形です。コスト圧縮のため単線構造を基本とし、最大6.5%の勾配を採用します。

アストラム計画図

これまでの最急勾配はニューシャトル

これまでの国内の新交通システムにおける最急勾配は埼玉新都市交通ニューシャトルの5.9%だそうで、アストラムラインの新規開業区間は日本最大の勾配を持つ新交通システムになります。この勾配に対応するため、今後投入される車両は現行のアストラムラインの車両よりも1t軽量化されます。

ちなみに、この資料によると、通常運転であれば8%までの勾配まで走行可能だそうです。しかし、軌道建設規程により、勾配が6.7%を超える場合には国土交通大臣の特別な許可が必要なことや、満員列車の救援時を考慮して、6.5%に押さえられたようです。

アストラム断面図

2020年代後半に部分開業

「西風新都線」は高架が5.6km、トンネルが1.5kmです。着工は平成30年代初頭(2020年頃)で、広域公園前駅から3駅先の石内東開発地までを平成30年代後半(2020年代後半)に先行開業します。全線開業は平成40年代初頭(2030年頃)としています。

西広島駅までの開業後は広域公園前駅~西広島駅を14分で結び、1日平均15,200人の利用を見込んでいます。総事業費は570億円で、市が289億円を、残りを国が負担します。

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環状化の結論は先送り

アストラムラインについては、さらなる延伸計画がありました。「新交通東西線」及び「新交通南北線」ですが、この名称は今回のアストラムライン延伸計画の見直しに伴い廃止されます。

新しい延伸計画路線の名称は「新交通都心線」で、西広島~白神社前交差点~本通間3.2kmとされました。この都心線については、西風新都線の開業後に必要性を検討するとし、事業化の結論は先送りされています。

その理由として、事業費が約900億円と多額であることや、既存の路面電車やバスを含めた大幅な公共交通体系の見直しが必要になることから、将来における社会経済情勢をより正確に見通した上での判断が望ましいため、などとしています。

広島駅延伸計画は廃止

また、JR広島駅~白神社前交差点~広島大本部跡地前の3.6kmの計画は廃止となります。これについては、事業費が約1,400億円もかかるのに対し、すでに新白島駅の整備などによって広島駅方面への速達性が確保されているため、投資効果が低いことを理由に挙げています。

今回の見直しでアストラムラインの将来計画が整理され、環状化が最終形態となりました。しかし、環状化の事業費が900億円となると、人口減少社会において実現は望み薄、という気もします。とはいえ、西広島までの開業が決定したのは望ましいこと。「日本一の急勾配新交通」に、ぜひ乗りに行きたいものです。

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