国設芦別スキー場が2017年限りで閉鎖へ。施設更新の負担が重荷に。地域型スキー場の苦戦続く

北海道芦別市の国設芦別スキー場が、2017年限りで閉鎖されることになりました。リフトなどの施設が老朽化し、更新費用がまかなえないためです。北海道新聞が報じました。

【追記】当記事掲載後、当面3年間の継続が決まりました。2020年シーズンまでは運営が継続されます。

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1965年オープンの老舗ゲレンデ

国設芦別スキー場は、1965年にオープンした老舗ゲレンデです。「国設」という名称ですが、芦別市が運営しています。遠方からの観光客よりは地元客がメインの「地域型スキー場」で、リフト3基とゲレンデ2面を備え、最大斜度30度、最長滑走距離は1600mと、小規模ながらそこそこ楽しめそうなゲレンデです。

北海道新聞2017年2月11日付によりますと、「リフトなど施設が老朽化し、更新や維持に多額の費用がかかることから継続は困難と判断した」とのことで、2017年シーズン限りで、スキー場の営業を休止する方針を固めたそうです。

2013年度には、大雪による倒木で送電線が切れ、第3リフトの運行を停止しています。2014年度には第3リフトの運行を再開する一方で、老朽化した第2リフトの運行を取りやめました。現在も第2リフトの運行は行っていません。すでに満身創痍という印象です。

第2リフトは下部リフトなので、運行しなくても全体の滑走エリアに影響はなさそうですが、初級者には滑りにくいゲレンデになっていたとみられます。

芦別スキー場
写真:芦別市ウェブサイトより

苦戦する地域型スキー場

国設芦別スキー場では、2011年度に11万3224人いた利用者が、2015年度は6万8965人まで減少していました。この時期、本土の有名スキー場では、バブル世代のファミリー旅行や外国人客の急増により、利用者は回復傾向にあるのですが、北海道の地域型スキー場にはそうした恩恵はなかったようです。

北海道に限らず、地域型スキー場は各地で苦戦が続いています。地域型スキー場は、観光客の割合が少ないだけに、エリアの若年人口数減少の影響を受けやすいのですが、芦別も例外ではなかったのでしょう。利用者減によって設備更新がままならなくなり、休止に追い込まれるスキー場は、これからも各地で増えていくとみられます。

歴史あるスキー場の閉鎖はもちろん残念です。ただ、日本国内全体でみるとスキー場の数が過剰なのも事実で、ある程度の淘汰は仕方がない、という気もします。(鎌倉淳)

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