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大井川鐵道が「あおなみ線SL」への協力を拒否。「ライバルを育てるのか」はもっともですが、何かもったいない

「あおなみ線」でのSL運行構想で、大井川鉄道が機関車貸与を拒否したことが明らかになりました。あおなみ線の大株主である名古屋市が、大井川鉄道に貸与を打診していましたが、取締役会で正式に拒否を決めたとのことです。中日新聞が報じています。

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試験走行では大人気

あおなみ線は名古屋市が7割超を出資している第三セクターで、SL走行は河村たかし市長の政策です。2013年には試験走行として名古屋駅~名古屋貨物ターミナル間を実際にSLが往復しています。このときは、2日間の運行チケットに10万通もの応募が殺到する人気となりました。

これを受けて、名古屋市は、あおなみ線に毎年SLを運行する方針を固めたそうで、2015年度の関連予算として2000万円を計上しました。2013年の試験走行ではJR西日本からC56と12系客車を借り受けましたが、運行継続するにあたり、地元名古屋鉄道グループの大井川鐵道からの借り受けを考えていました。

大井川鐵道SL

ATSを設置できるかの調査依頼

中日新聞2月24日付けによりますと、名古屋市は大井川鐵道に、「あおなみ線に対応する自動列車停止装置(ATS)をSLに設置できるかどうか、技術的調査をしてほしい」と依頼したそうです。費用は名古屋市の予算から出されます。これに対し、大井川鐵道は2015年2月17日の取締役会で、断ることを決めました。

名古屋市からの要請は「ATSをSLに設置できるかの調査」であり、貸与の依頼ではなかったようです。しかし、協力して技術的に可能となれば、貸与への流れができてしまいます。取締役会では「ライバルを育てるのか」との声が出て、取引銀行も反対し、調査依頼を拒否する、という結論になりました。取締役会で決めた以上、最終結論といっていいでしょう。

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年300日走らせる?

河村市長は「年300日以上の通年運行」を唱えているそうです。もちろん、現実的にそれは不可能で、借り受け運行ならば年数日がせいぜいでしょう。実際、中日新聞の2月9日付は「大井川鉄道(静岡県島田市)から、年2日程度の運行に向け車両が借りられる見通しとなった」と報じていて、名古屋市はそうしたレベルでの運行から始めることを模索していたようです。

ただ、将来的にあおなみ線が機関車と運行技術を獲得し、本当に年300日もSLが走るようになったら、大井川鐵道と競合関係になるのは確かです。大井川鐵道は赤字に苦しんでおり、そのなかでSLは同社最大の収益源です。近隣にライバルを増やすわけにはいかない、という考え方はもっともで、一切協力しないという結論になったのでしょう。

結論は当然だが

この結論は当然といえば当然ですが、少し残念な気もします。というのも、SLに限らず大井川鐵道には保存車両が豊富ですが、それらが貸し出され他の場所でも走ったら、各地の鉄道ファン、とくに子どもたちに昔の車両を見せたり乗せたりすることができるからです。

また、SLの貸与価格に十分な利益を乗せられるのであれば、大井川鐵道にとっても自社路線以外の収益源ができます。「車両の貸し出し」が収益になるのなら、新しいビジネスモデルといえなくもありません。

貸す側も借りる側も利益になる形で

もし、あおなみ線でのSL運行が将来的にも年数日に限られるのであれば、どうだったでしょうか。「名古屋でSLを見て乗りたくなったが、年数日の運転ではきっぷが取れない。じゃあ大井川に乗りに行こう」という人も出てくるでしょう。それは、大井川鐵道にとっては宣伝になりそうです。貸し出し利益が得られるうえに宣伝になるならば、大井川鐵道にはメリットが大きいかもしれません。

なんであれ、SL保有会社が大事な機関車を貸し出すとすれば、ビジネスになる形でしかあり得ません。貸す側、借りる側が、互いに利益になるような形が考えられれば、赤字に苦しむ地方鉄道会社にとっても、ファンにとっても、良いことではないかと思います。

そう考えると、何かもったいない気がします。できれば門前払いではなく、貸与の条件を話し合ったうえで、断るなら断ってよかったのではないでしょうか。

でも、やっぱり、難しそうですね。みなさんはどうお考えでしょうか。

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