JR特急利用者数ランキング2016年ゴールデンウィーク版。「スーパー北斗」が北海道新幹線効果でちょっとだけ浮上

「在来線利用者数ランキング2016年ゴールデンウィーク版」をまとめました。これは、JR各社が発表した2016年ゴールデンウィーク期間(4/28-5/8の11日間)の利用状況を順位付けしたものです。

公表内容は各社・各支社ごとに異なりますが、その数字を集めてみると、特急列車や在来線区間ごとのピーク時の利用者数がわかります。ランキングにすることで、各特急列車の利用者数がおおまかに見えてきます。

2016年版、利用者数ランキングゴールデンウィーク版、JR在来線特急編です。(一部快速列車も掲載しました)。

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2016年ゴールデンウィークJR在来線特急利用者数ランキング

1. あずさ、かいじ等(八王子~相模湖)30.7万人
2. ひたち、ときわ(我孫子~土浦)28.1万人
3. かもめ、みどり(鳥栖~肥前山口)25.5万人
4. サンダーバード(京都~敦賀)21.5万人
5. ソニック(小倉~行橋)16.2万人
6. マリンライナー(児島~宇多津)15.7万人
7. 成田エクスプレス(東京~千葉?)14.4万人
8. スカイライナー(日暮里~空港第二ビル)12.8万人
9. スーパーカムイ、スーパー宗谷等(札幌~岩見沢)9.3万人
10. スーパービュー踊り子等(横浜~熱海?)8.1万人

11. しらさぎ(米原~敦賀)7.9万人
12. はるか(日根野~関西空港)7.7万人
13. スーパー北斗、すずらん等(東室蘭~苫小牧)7.4万人
14. しおかぜ、いしづち(多度津~伊予三島)7.2万人
15. しなの(名古屋~多治見)7.0万人
16. わかしお、さざなみ(東京~蘇我?)6.7万人
17. しおかぜ(児島~宇多津)6.7万人
18. くろしお(和歌山~簑島)6.6万人
19. やくも(岡山~新見)5.4万人
20. きのさき、まいづる等(二条~亀岡)5.3万人

21. ひだ(美濃太田~下呂)3.8万人
22. 南風(児島~宇多津)3.6万人
23. こうのとり(大阪~三田)3.5万人
24. 南風、しまんと(多度津~阿波池田)3.4万人
25. いなほ(新潟~村上?)3.3万人
26. スーパーおおぞら、スーパーとかち(南千歳~トマム)3万人
27. 宇和海(松山~宇和島)2.9万人
28. しらさぎ(名古屋~大垣)2.5万人
29. スーパーはくと(姫路~上郡)2.4万人
30. うずしお(高松~徳島)2.3万人

31. スーパーはくと(智頭~鳥取)2.1万人
32. 日光・きぬがわ(大宮~栗橋)1.9万人
33. 南風、しまんと、あしずり(高知~窪川)1.3万人
34. 南紀(松坂~紀伊長島)1.1万人
35. ふじがわ(富士~富士宮)1.0万人
36. つがる(弘前~青森)0.9万人
37. あさぎり(御殿場~山北)0.9万人
38. はまかぜ(姫路~寺前)0.8万人
39. スーパーいなば(上郡~岡山)0.8万人
40. スーパーいなば(智頭~鳥取)0.7万人

41. いなほ(酒田~秋田)0.6万人
42. サンライズ出雲・瀬戸(静岡~浜松)0.6万人
43. スーパーおき(新山口~益田)0.5万人
44. リゾートしらかみ(秋田~青森)0.4万人
45. 伊那路(豊川~本長篠)0.2万人
46. サンライズ出雲(岡山~新見)0.2万人
47. うずしお(児島~宇多津)0.2万人
48. 義経東下り、ジパング平泉(一ノ関~前沢・盛岡)0.2万人
49. SL銀河(花巻~釜石)830人
50. はまかぜ(岩美~鳥取)66人

※マリンライナー、リゾートしらかみ、義経東下り、ジパング平泉、SL銀河は快速列車、スカイライナーは京成電鉄

上記の数字は、公表された区間旅客数をピックアップしてランキングしたものです。一部JR支社は報道機関にのみ発表しウェブサイトに掲載していませんが、その場合は報道された内容から引用しています。

発表内容にはJR各社や支社によりバラツキが大きいので、「たまたま公表されていた区間」のランキングにすぎません。したがって、上記のランキングは必ずしも公平ではありません。ただ、おおむねその各支社の最混雑区間が抜き出されていますので、列車の輸送量を図る一つの目安にはなります。

今回は京成スカイライナーの利用者数も報道がありましたので、ランキングに混ぜてみました。

スーパー北斗

成田エクスプレスが京成スカイライナーを上回る

在来線特急ランキングでは、「あずさ、かいじ」「ひたち、ときわ」の両系統と、「かもめ、みどり」「サンダーバード」「ソニック」を加えた「5強」が抜けていて、それを「マリンライナー」「成田エクスプレス」が追う構図です。昨年のゴールデンウィークは、上野東京ライン開業効果で「ひたち、ときわ」が首位でしたが、今年は「あずさ、かいじ」がトップに返り咲きました。

また、「成田エクスプレス」の利用者数は近年増加が著しく、「5強」に肉薄してきました。今回数字が明らかになった京成「スカイライナー」も、「成田エクスプレス」と比肩する利用者数ですが、一歩及びませんでした。

「はるか」も増便効果で絶好調

絶好調なのは、関西空港アクセスの「はるか」。2016年3月ダイヤ改正で6往復を増便し、ゴールデンウィークは前年比119%の利用者数です。「はるか」は2年前のランキングでは「くろしお」と「やくも」の間くらいの利用者数でしたが、今や完全に抜き去り、ベスト10入りを射程に捉えました。

ただ、円安傾向にも終わりが見えてきて、インバウンドの状況に変化が起きれば、これらの空港アクセス列車も頭打ちになる可能性がありそうです。

「スーパー北斗」は利用者伸びる

北海道新幹線の影響としては、「スーパー北斗・すずらん等」の利用者数が伸び、前年比103%となりました。新函館北斗での接続利用が増え、「ちょっとだけ浮上」した感じです。一方、道内の旭川方面や釧路方面の特急はいずれも利用者減少に見舞われました。

快速列車ですが、「SL銀河」の利用者数も掲載しました。前年比79%で、一時のブームは落ち着いたようです。(鎌倉淳)

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